医療の血液・造血に関する用語『アルブミン』

医療の血液・造血に関する用語『アルブミン』

アルブミンとは?

アルブミンとは、ヒトの血漿中に最も多く含まれるタンパク質です。肝臓で合成されており、血漿浸透圧の維持や物質の輸送などの重要な役割を担っています。分子量は約66,500で、80%以上が水に溶解した状態で存在します。血清アルブミン濃度は、健康状態や病気の指標として用いられ、低アルブミン血症や高アルブミン血症などの異常があると、基礎疾患の存在を示唆する場合があります。

アルブミンの役割

アルブミンの役割

アルブミンは、血液中に最も多く含まれるタンパク質であり、重要な役割を担っています。その主な機能の一つが、血液中の水分量を調整することです。アルブミンは水を保持する働きがあり、血液中の水分が過剰になると吸収し、不足すると放出します。これにより、血液の濃度を一定に保ち、血液が正常に流れるようにしています。

また、アルブミンは様々な物質を運搬するキャリアタンパク質としても機能します。例えば、カルシウムやビリルビン、薬物などを結合して運搬します。さらに、アルブミンは抗酸化作用を持ち、フリーラジカルによる細胞の損傷を防ぐ働きもあります。

アルブミンの測定法

アルブミンの測定法では、血液中のアルブミン濃度を測定するためのさまざまな方法について説明します。最も一般的な方法は、血液サンプルを採取して臨床検査室で分析することです。血液中のアルブミン濃度を測定するには、化学反応を利用した方法や免疫アッセイ法などが用いられます。これらに加えて、専用の検査機器を使用して血液中のアルブミン濃度を素早く測定することもできます。この方法は、緊急時や病院外の医療現場での検査に役立ちます。医療従事者は、患者の状態に応じて適切な測定法を選択し、正確なアルブミン濃度の値を得ることができます。

アルブミン値の異常

アルブミン値の異常とは、血液中のアルブミン濃度が正常範囲から逸脱した状態のことを指します。アルブミン値の低下は、合成能の低下やタンパク質の喪失によって起こり、肝疾患、腎疾患、栄養不良などが原因となります。逆に、アルブミン値の上昇は、脱水や火傷、敗血症などの脱水状態や組織壊死によって起こります。アルブミン値の異常は、全身の栄養状態や身体機能に影響を与え、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。そのため、アルブミン値の異常が疑われる場合は、適切な検査や治療が必要です。

アルブミン補充療法

アルブミン補充療法においては、低アルブミン血症やアルブミン低下による状態の改善を目的として、アルブミン製剤を投与します。この療法は、肝硬変に伴う腹水やむくみ、ネフローゼ症候群に伴う浮腫、敗血症や重篤な熱傷など、さまざまな病態で使用されます。

アルブミン製剤の投与は、静脈内注射または点滴で行われます。投与量は、患者さんの状態やアルブミン濃度に基づき、個別化されます。アルブミン補充療法は、低アルブミン血症による膠質浸透圧の低下を改善し、体液貯留を減少させ、浮腫の軽減に役立ちます。