同種末梢血幹細胞移植とは？

同種末梢血幹細胞移植とは？

同種末梢血幹細胞移植の種類

-同種末梢血幹細胞移植の種類-

同種末梢血幹細胞移植は、供血者からの末梢血（血管内の血液）から幹細胞を採取して移植する手法です。移植の種類は、以下の2つに分けられます。

* –非血縁移植（アロジェニック移植）-遺伝的に一致しない供血者から幹細胞を移植する方法です。一般的に、HLA（ヒト白血球抗原）型の適合性に基づいて供血者を選択し、免疫抑制剤を使用して移植片拒絶を予防します。
* –血縁移植（シンジェニック移植）-遺伝的に一致する親族（双生児など）から幹細胞を移植する方法です。免疫抑制剤を使用する必要がなく、移植片拒絶のリスクが低くなります。

同種末梢血幹細胞移植の前処置

同種末梢血幹細胞移植では、前処置と呼ばれる治療が移植前に必要になります。前処置は、レシピエントの免疫系を抑制し、ドナーの幹細胞を受け入れやすくするためのものです。通常、前処置には以下の治療が含まれます。

* 化学療法 抗がん剤を使用して、レシピエントの癌細胞と免疫細胞を破壊します。
* 放射線療法 放射線を使用して、レシピエントの骨髄を破壊します。これにより、ドナーの幹細胞が骨髄に移植されやすくなります。
* 免疫抑制剤 レシピエントの免疫系を抑制するために使用します。これにより、ドナーの幹細胞が攻撃されるのを防ぎます。

前処置は、レシピエントの健康状態や移植の種類によって異なります。前処置の副作用としては、吐き気、嘔吐、脱毛などが含まれます。

同種末梢血幹細胞移植の採取方法

–同種末梢血幹細胞移植の採取方法–

同種末梢血幹細胞移植では、健康なドナーから末梢血中の幹細胞を採取します。この採取方法は、骨髄採取よりもはるかに侵襲性が低く、ドナーへの負担も少なくなります。

採取は、通常、約1週間の投与によりドナーの末梢血中に幹細胞を動員するG-CSFと呼ばれる成長因子の投与後に実施されます。その後、ドナーの腕の静脈に針を刺し、血液を採取します。血液は特殊な採血器を通過し、幹細胞が濃縮されます。この濃縮された細胞は、患者に移植されます。

末梢血幹細胞移植は、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液疾患の治療に用いられる有効な方法です。採取が容易で、ドナーへの負担も少ないため、患者とドナーの双方にとってメリットがあります。

同種末梢血幹細胞移植の移植方法

同種末梢血幹細胞移植では、健康なドナーから末梢血幹細胞を採取し、患者に移植します。末梢血幹細胞とは、骨髄に存在する造血幹細胞が血液中に遊出してきたもので、造血機能を担う細胞のことです。

移植方法は、まずドナーの末梢血から末梢血幹細胞を採取します。採取方法は、白血球増殖因子という薬剤をドナーに投与して末梢血幹細胞を増加させ、その後、血液透析のように腕の静脈から血液を採取し、機械で末梢血幹細胞を分離します。採取した末梢血幹細胞は、患者に移植されます。

同種末梢血幹細胞移植の適応

同種末梢血幹細胞移植の適応

同種末梢血幹細胞移植は、主に血液悪性腫瘍の治療に用いられます。主な適応疾患は次のとおりです。

* 急性骨髄性白血病（AML）
* 急性リンパ性白血病（ALL）
* 骨髄異形成症候群（MDS）
* 多発性骨髄腫
* 悪性リンパ腫
* 再発または難治性の血液悪性腫瘍