溶血とは？原因・症状・検査について
医療と看護を知りたい
「溶血」とはどういう意味ですか?
医療の研究家
赤血球が寿命を迎える前に何らかの原因で破壊されることを「溶血」といいます。
医療と看護を知りたい
赤血球の寿命は約どれくらいですか?
医療の研究家
約120日と言われています。
溶血とは。
「溶血」とは、寿命を迎える前の赤血球が何らかの原因で壊される現象のことです。通常、赤血球の寿命は約120日ですが、溶血が起こるとこの寿命が短くなり、体内の赤血球が不足してしまいます。
溶血では、赤血球が成熟する前に壊されるため、体のさまざまな機能に影響が出ることがあります。溶血が疑われる場合は、血液検査でLDH、AST、カリウムが異常な値を示すことが多くみられます。
溶血とは何か
溶血とは、赤血球が破壊されて血中にヘモグロビンが放出される状態です。赤血球は酸素を運搬する役割を持ちますが、溶血が起こると赤血球が破壊され、酸素運搬能力が低下します。溶血は、自己免疫疾患、遺伝性疾患、感染症、薬剤の副作用など、さまざまな原因で発生します。
溶血の原因
溶血の原因はさまざまで、先天性および後天性のものがあります。先天性溶血は、赤血球の異常が遺伝的欠陥によるもので、ヘモグロビン異常や膜異常などが挙げられます。後天性溶血は、外部要因により赤血球が破壊されるもので、自家免疫溶血性貧血や感染性溶血性貧血などがあります。自家免疫溶血性貧血では、免疫機能の異常により自分の赤血球が攻撃され、感染性溶血性貧血では、感染症によって発生した毒素や病原体によって赤血球が破壊されます。さらに、薬剤、化学物質、物理的要因などが溶血を引き起こす場合もあります。
溶血の症状
溶血の症状は、溶血の程度によって異なります。軽度の溶血ではほとんど症状が出ないこともありますが、重度の溶血では明らかな症状が現れます。
一般的な症状としては、黄疸、貧血、脾臓の腫大などがあります。黄疸は、胆汁が増加して皮膚や粘膜が黄色くなる症状で、溶血によって赤血球が破壊されると、ヘモグロビンが分解されて胆汁になります。貧血は、赤血球の数が減少して全身に酸素が行き渡らなくなる症状で、溶血によって赤血球が大量に破壊されると起こります。脾臓の腫大は、溶血によって破壊された赤血球を処理するため、脾臓が大きくなる症状です。
溶血の検査
-溶血の検査-
溶血の診断には、血液検査が不可欠です。主な検査は次のとおりです。
網状赤血球数（ reticulocyte count）網状赤血球とは、まだ成熟していない赤血球で、溶血によって赤血球が破壊されると網状赤血球の数が増加します。この検査により、溶血の重症度を評価できます。
ビリルビン検査ビリルビンは、赤血球の破壊によって放出される黄色い色素です。血液中のビリルビン濃度が高いと、溶血を示唆します。
ハプトグロビン検査ハプトグロビンは、血液中に存在するタンパク質で、赤血球を破壊から保護します。溶血が発生するとハプトグロビンが消費され、濃度が低下します。
直接クームス試験この検査では、赤血球表面に抗体が付着しているかどうかを調べます。抗体が付着していると、溶血の原因の一つである自己免疫溶血性貧血の可能性があります。
間接クームス試験この検査では、血液中に遊離抗体が存在しているかどうかを調べます。遊離抗体が検出されると、輸血後の溶血反応や新生児溶血性疾患などの免疫介在性溶血を示唆します。
溶血の治療
溶血の治療は、溶血の原因によって異なります。
* -免疫性溶血性貧血- 免疫抑制薬やステロイド薬が使用され、抗体が赤血球を攻撃するのを防ぎます。
* -非免疫性溶血性貧血- 輸血や赤血球増殖顆粒球コロニー刺激因子（G-CSF）を使用して、赤血球数を回復させます。
* -機械的溶血- 溶血の原因となる異常な弁や狭窄部を治療します。
* -化学的溶血- 毒物や薬物を除去する必要があります。
重症の場合は、脾臓摘出術が必要になる場合があります。これは、免疫性溶血性貧血で脾臓が赤血球を破壊する主要な場所となっている場合に検討されます。