血清鉄とは?血液検査での基準値も解説

医療と看護を知りたい
先生、「血清鉄」ってなんですか?

医療の研究家
血清鉄とは、血液中に含まれる鉄のことだよ。血液検査で測定できるんだ。

医療と看護を知りたい
なるほど。基準値を教えてください。

医療の研究家
男性は58~188μg/dL、女性は48~170μg/dLだよ。
血清鉄とは。
血液中に含まれる鉄を「血清鉄」と呼びます。血液検査で血清鉄の量を測定でき、正常値は男性で58~188μg/dL、女性で48~170μg/dLです。
血清鉄とは?

血清鉄とは、血液中に含まれるヘモグロビンというタンパク質と結合している鉄のことです。ヘモグロビンは、血液を赤くし、肺から全身に酸素を運ぶ役割を持っています。血清鉄は、ヘモグロビンを生成するために不可欠な成分であり、酸素の運搬を円滑にするために重要な役割を果たしています。
血清鉄の測定方法

血清鉄の測定は、血液検査を通じて行われます。採血した血液を遠心分離機にかけて、血清と呼ばれる液体の部分を取り出します。この血清中に含まれる血清鉄量を測定することで、血清鉄の濃度を調べます。測定方法は、分光光度法やアトミックアブソープション分光法が一般的に用いられており、それぞれ光の吸収や放射の吸収を分析して血清鉄を定量します。これらの測定法は、高い精度と感度を有しており、血清鉄の状態を正確に把握するために使用されています。
血清鉄の基準値

血清鉄の基準値は、年齢や性別によって異なります。一般的に、成人では、-男性は100~160μg/dL、女性は60~150μg/dL-です。ただし、妊娠中は鉄の需要が増えるため、女性の基準値は若干上昇します。また、小児では年齢によって基準値が異なり、生後1カ月の新生児では-100~300μg/dL-程度と高めです。一方、10代後半以降は、ほぼ成人の基準値に近づきます。
血清鉄が高い場合の要因

血清鉄が高い場合には、いくつかの要因が考えられます。主な原因としては、鉄の摂取過多、鉄代謝異常、肝機能障害、慢性炎症などが挙げられます。鉄の摂取過多は、サプリメントや鉄分を多く含む食品の過剰摂取が原因となります。鉄代謝異常では、鉄を体内に蓄積する機能が低下したり、逆に鉄を取り込みすぎたりします。肝臓は鉄の貯蔵と調節に関わるため、肝機能障害があると血清鉄値が上昇する可能性があります。また、慢性炎症が起こると、炎症反応により鉄が放出されて血清鉄値が上昇することがあります。
血清鉄が低い場合の要因

血清鉄が低い場合、さまざまな要因が考えられます。鉄分の摂取不足や吸収障害が原因となることがあります。例えば、鉄分が豊富な赤身の肉やレバーなどの食品を十分に摂取していない、または胃酸分泌低下や胃切除手術などで鉄分の吸収が阻害されている場合があります。また、月経過多による出血や輸血による鉄分の喪失が原因になることもあります。さらに、慢性疾患や感染症、遺伝性疾患などにより、鉄の代謝や利用に異常が発生する場合があります。
