先天性股関節脱臼とは？症状・診断・治療法を解説
医療と看護を知りたい
先生、「先天性股関節脱臼」について詳しく教えてください。
医療の研究家
「先天性股関節脱臼」とは、生まれたときから股関節が外れている状態のことだよ。
医療と看護を知りたい
なぜ起こるんですか？
医療の研究家
原因としては、女児が多いこと、おむつなどの不良肢位などが挙げられるよ。
先天性股関節脱臼とは。
生後まもなくの赤ちゃんに起こる股関節の脱臼を「先天性股関節脱臼」といいます。生まれた時から脱臼している状態を指します。発育性股関節形成不全とも呼ばれています。女児に多く、特に左側に起こりやすい傾向があります。おむつなどの不適切な姿勢が原因となることもあります。
症状として、太ももにある皮溝（ひだ）の左右差や股関節を十分に開いたり広げたりできないことがあります。
診断には、股関節を手で開いたり閉じたりしたときに感じる「クリック音」、レントゲン検査、超音波検査を行います。
生後3か月までは、積極的な治療はせず、生活指導に合わせて経過観察することが多いです。それ以降に診断された場合、股関節の脱臼を整復する治療が必要です。最もよく使われる装具がリーメンビューゲル装具です。装具での整復が難しい場合は、牽引や手術によって整復を行います。
先天性股関節脱臼とは
-先天性股関節脱臼とは-
先天性股関節脱臼は、出生時から股関節が正常な位置からずれている状態です。股関節は、大腿骨の先端にある丸い関節窩と、骨盤のくぼみである寛骨臼で形成されています。先天性股関節脱臼では、関節窩が寛骨臼から外れてしまうことで起こります。この状態が放置されると、股関節の成長に影響が出たり、痛みや歩行障害につながったりする可能性があります。
原因と発生頻度
-原因と発生頻度-
先天性股関節脱臼の原因は未だに完全に解明されていませんが、 генетические疾患（遺伝的要素）や環境因子（子宮内の姿勢など）が関与していると考えられています。また、第一子や女の子は、先天性股関節脱臼を発症するリスクが高い傾向にあります。発生頻度は、1,000人あたり1～2人と比較的まれな疾患ですが、早期発見と適切な治療が重要です。
症状
-症状-
先天性股関節脱臼の症状は、新生児期から乳児期にかけて現れることが多いです。主な症状としては、片方または両方の足の動きが悪いことがあります。また、股関節にクリック音やポ popping 音がする、足の折り畳み方が左右非対称といった症状が見られることもあります。股関節の脱臼が進行すると、足の曲げ伸ばしが困難になり、脚の長さが左右で異なるなど、より顕著な症状が現れます。
症状が軽度な場合は、気づかれずに過ごしていることもありますが、乳児期になると歩き始めが遅れたり、よちよち歩きの状態が続くことがありますので、注意が必要です。
診断
先天性股関節脱臼の診断には、身体診察と画像検査が用いられます。
身体診察では、整形外科医が患者の股関節の可動域や安定性を評価します。脚の長さや股関節の折り畳み具合、股関節のクリック音や異常な滑りなどの兆候も調べます。
画像検査では、X線や超音波検査が行われます。X線は股関節の骨構造を明らかにし、脱臼の程度を確認するのに役立ちます。超音波検査は、軟部組織（筋肉や靭帯）の状態を評価するのに優れています。これらの検査を併用することで、医師は脱臼の重症度を正確に判断できます。
また、乳幼児の場合、オルタニテストと呼ばれるスクリーニング検査が行われることがあります。この検査では、医師が赤ちゃんの足を優しく広げて、股関節が正常に脱臼していないかどうかを確認します。
治療
治療は、脱臼の程度によって異なります。新生児期に発見された場合、装具による保存療法が選択されます。ハルター型装具やパブロフ型装具などの装具を装着し、股関節を正しい位置に維持します。この治療法は、早期発見と早期装具装着が成功のカギとなります。
脱臼が重度の場合は、手術が必要になります。閉鎖式手術と開放式手術があり、程度や年齢によって選択されます。手術では、脱臼した股関節を正しい位置に整復し、場合によっては骨盤や大腿骨を切開して股関節の安定性を確保します。