医療の整形外科用語『内鼠径ヘルニア』を理解する

医療と看護を知りたい
先生、「内鼠径ヘルニア」について教えてください。

医療の研究家
鼠径ヘルニアの一種で、腹部の内臓が鼠径管の奥の部分から、外に向かって飛び出している状態を指すよ。

医療と看護を知りたい
その飛び出す場所は具体的にどこですか?

医療の研究家
下腹壁動静脈の内側にあるHesselbach三角という部分から外鼠径輪に向かって脱出するんだ。
内鼠径ヘルニアとは。
鼠径部(そけいぶ)にできるヘルニアの1つに「内鼠径ヘルニア」があります。このヘルニアは、腹壁の動静脈の内側にある「ヘッセルバッハ三角」という部位から腹腔内の組織が押し出され、外鼠径輪から飛び出すものです(図1を参照)。
内鼠径ヘルニアとは?

医療の整形外科用語「内鼠径ヘルニア」を理解する
内鼠径ヘルニアとは?
内鼠径ヘルニアとは、腸や脂肪組織の一部が鼠径部(そけいぶ)の弱い部分から飛び出す状態のことです。この鼠径部は、太ももの付け根と腹部の間のくぼんだ部分です。内鼠径ヘルニアは、腹筋に穴が開いたり、弱くなったりしたことが原因で起こります。この穴を通って、腸や脂肪組織の一部が押し出されてしまうのです。
鼠径ヘルニアの種類

-鼠径ヘルニアの種類-
鼠径ヘルニアは、お腹の内容物が鼠径部(太ももの付け根のくぼみ)から突出する状態です。鼠径ヘルニアには、以下の3つの種類があります。
*直達鼠径ヘルニア最も一般的なタイプで、お腹の内容物が直接鼠径管を通過して突出します。
*斜鼠径ヘルニアお腹の内壁が弱くなり、その部分が鼠径管に押し込まれて突出します。
*大腿ヘルニア鼠径管のすぐ下から突出します。これは主に女性で発生します。
それぞれのタイプは、発生する場所や原因が異なります。適切な治療法を決定するには、鼠径ヘルニアの種類を特定することが重要です。
Hesselbach三角について

ヘッセルバッハ三角とは、腹部の前面にある三角形の領域で、上向きに開いています。その境界は、外れ縁の外側腹斜筋、内れ縁の内側腹斜筋、下縁を鼠径靭帯で囲まれています。この三角形の領域は、内鼠径ヘルニアが通過する経路として重要です。ヘッセルバッハ三角は、最初にこのヘルニアを記述した外科医の名前にちなんで名付けられました。
外鼠径輪とは?

「外鼠径輪とは?」
内鼠径ヘルニアを理解する上で、外鼠径輪を知ることが重要です。外鼠径輪とは、大腿の付け根にある筋肉の隙間で、精管や丸い靭帯が通る通路です。この隙間は通常は狭く、腹腔内の内容物が飛び出すのを防いでいます。しかし、何らかの原因で外鼠径輪が弱くなったり広がったりすると、腹腔内の内容物が押し出されて内鼠径ヘルニアが生じます。
内鼠径ヘルニアの発生メカニズム

内鼠径ヘルニアの発生メカニズム
内鼠径ヘルニアは、鼠径管という太ももの付け根にある管の壁が弱まり、お腹の中の組織(多くは腸)が管の外に突き出ることで発生します。鼠径管は、精管や睾丸を体から外に導く役割があります。
内鼠径ヘルニアは、主に腹圧の増加(重いものを持ったり、激しく咳をしたりするとき)が鼠径管の壁に圧力をかけると発生します。また、高齢化や肥満、持続的な咳、慢性的な便秘なども、鼠径管の壁を弱め、ヘルニアの発生リスクを高める要因となります。
