犬吠様咳嗽：小児の咳の症状

犬吠様咳嗽：小児の咳の症状

犬吠様咳嗽とは？

犬吠様咳嗽とは、文字通り、犬の吠え声のように特徴的な咳のことです。この咳は、喉頭（喉）の炎症によって引き起こされることが多く、喘息や喉頭炎など、さまざまな呼吸器系の疾患の症状として現れます。通常、咳は短く、力強く、息を吸うときに「ヒューヒュー」という音がするのが特徴です。咳の強さは、疾患の重症度によって異なります。

犬吠様咳嗽の原因

-犬吠様咳嗽の原因-

犬吠様咳嗽の発作を引き起こす一般的な原因は、クループ症候群と呼ばれる上気道感染症です。クループ症候群は、喉頭、気管、気管支に炎症が生じることで、気道が狭くなります。この狭窄により、吸気時に特徴的な「ほえ吠え」音が発生します。

犬吠様咳嗽の原因となる他の可能性としては、喉頭軟骨軟化症や気道異物などが挙げられます。喉頭軟骨軟化症は、喉頭の軟骨が弱く軟らかい状態であり、乳幼児に多くみられます。気道異物は、食べ物や小さな物体が気道に詰まっている状態を指します。これらの原因は、気道の狭窄や炎症を引き起こし、犬吠様咳嗽につながる場合があります。

犬吠様咳嗽の症状

犬吠様咳嗽とは、喉頭上部の声帯が炎症を起こすことで引き起こされる咳です。呼吸をするたびに空気が声帯を通過するときに振動し、独特の「犬の吠え声のような咳」が出ます。この咳は通常、お子さんが風邪や喉頭炎などの上気道感染症にかかったときに起こります。

犬吠様咳嗽の治療

犬吠様咳嗽の治療においては、その原因となる基礎疾患に対する治療と、咳症状に対する対症療法が並行して行われます。基礎疾患の治療には、原因となるウイルスや細菌への抗菌薬の投与や、喘息の場合は気管支拡張薬の使用などが含まれます。

また、咳症状に対する対症療法としては、痰の切れを良くする去痰薬や、咳を鎮める鎮咳薬などが使用されます。ただし、咳は体の防御反応の一種でもあるため、必要以上に鎮咳を抑えることは望ましくありません。また、鎮咳薬には嗜癖性があるものもあるため、自己判断での長期的な服用は避けるべきです。

犬吠様咳嗽の重症化を防ぐために

犬吠様咳嗽の重症化を防ぐためには、適切な処置や予防策を講じることが大切です。早めの受診と適切な薬の服用が不可欠で、症状を悪化させないためにも医師の指示に従うことが重要です。また、咳を誘発するタバコの煙やほこりを避ける環境の配慮も役立ちます。加湿器の使用や水分補給による喉の保湿、適度な運動などでも、咳の症状を和らげることができます。重症化を防ぐためには、これらの対策を組み合わせて行うことが効果的です。