広背筋→ 背中の筋肉と呼吸との関係
医療と看護を知りたい
『広背筋』が呼吸器にどう関わるのか教えてください。
医療の研究家
広背筋は呼吸補助筋として機能するんだよ。
医療と看護を知りたい
呼吸補助筋はどういう役割を果たすのですか?
医療の研究家
強制呼気をする際に呼吸を助ける役割だよ。
広背筋とは。
「広背筋」と呼ばれる筋肉は、背中の下側に広がる三角形の筋肉です。腰と胸の間に広がる平らな筋肉で、背中で一番面積が広い筋肉です。かつては「闊背筋」と呼ばれていました。
広背筋は、背骨の第5胸椎から第5腰椎、仙骨、腸骨稜の裏側、第9から12肋骨から起始し、外側に向かって細くなり、わきの下を通って上腕骨の先端の内側に付着します。
この筋肉は、上腕を内側に回したり、後ろに引き寄せたりする働きがあります。また、上腕の内旋にも関わっています。強制的な呼吸をする際に呼吸補助筋として働きます。
広背筋の神経支配は胸背神経(C6-8)によって行われ、拮抗筋は三角筋と僧帽筋です。解剖学的には、広背筋はいくつかの重要な目印となります。
広背筋の外側の縁、腸骨稜、外腹斜筋の後縁で形成される三角形は「腰三角」と呼ばれ、後腹膜の弱い部分で、腰ヘルニアの原因となることがあります。また、広背筋の上縁、肩甲骨の内側縁、僧帽筋の外側縁で形成される三角形は「聴診三角」と呼ばれ、筋肉層が薄いので呼吸音がよく聞こえ、聴診に適しています。
広背筋の解剖学的構造
-広背筋の解剖学的構造-
広背筋は、背中の最大の筋肉であり、背中の下部から腰椎、骨盤、肋骨に付着しています。この筋肉は、肩関節の伸展、内転、外旋、回旋運動の役割を果たしています。さらに、広背筋は深部吸気時に肋骨を下げ、胸郭容積を拡大する役割も担っています。
解剖学的には、広背筋は複数の束から構成されており、その起源点は異なります。上部束は胸椎第7椎骨から第10椎骨にかけての棘突起、中部束は腰椎第1椎骨から第4椎骨にかけての棘突起、下部束は骨盤の腸骨稜から起始しています。これらすべての束が収縮すると、肩甲骨を引き下げ、腕を後ろに引く動作を可能にします。
広背筋の機能
-広背筋の機能-
広背筋は、背骨の肩甲骨から腕の骨の上部までを覆う、大きな筋肉です。広背筋の主な機能は、肩関節の外旋、伸展、内転です。また、肩甲骨を脊柱に引き寄せ、肩甲骨の内転と下制にも関与します。さらに、広背筋は呼吸にも補助的に関わり、胸郭を拡大して肺の容量を増やすことができます。
広背筋の神経支配
広背筋の神経支配は、背中を支配する重要な神経によって制御されています。この神経は腕神経叢と呼ばれるもので、首の横を下って肩、背中、腕へとつながっています。腕神経叢は、C5からT1までの脊髄神経からなります。つまり、この特定の脊髄神経が損傷すると、広背筋の神経支配が損なわれ、異常をきたす可能性があります。
広背筋の臨床的意義
-広背筋の臨床的意義-
広背筋は、肩関節の伸展、内旋、外旋、呼吸に重要な筋肉です。深呼吸では、広背筋が収縮して肋骨を下方へ引き下げ、肺を拡張させます。一方で、咳やクシャミなどの動作では、広背筋が収縮することで胸腔内圧を上昇させ、気道からの異物を排出するのに役立ちます。
さらに、広背筋は姿勢の維持にも関与しています。広背筋が弱くなると、猫背や肩こりなどの症状が現れることがあります。また、広背筋の緊張が強すぎると、呼吸が浅くなったり、肩や首の痛みを引き起こす可能性があります。したがって、広背筋の機能を維持することが、健康と快適な生活を送る上で重要です。
広背筋の練習方法
広背筋の練習方法では、この筋肉を効果的に鍛えるエクササイズをご紹介します。まず、懸垂では、バーに手のひらを肩幅より広くして掴み、体を持ち上げます。ローイングは、座った姿勢で、バーまたはダンベルを腰まで引き上げるエクササイズです。また、ラットプルダウンは、マシンを使用してバーを頭上に引き下ろすエクササイズです。これらのエクササイズは、広背筋を刺激し、背中の厚みや幅を広げるのに役立ちます。トレーニングを行う際には、正しいフォームを保ち、適切な重量を使用することが重要です。