大胸筋の構造と機能

大胸筋の構造と機能

医療と看護を知りたい

大胸筋について教えてください。

医療の研究家

大胸筋は前胸部の厚い筋肉で、上肢の動きに関わっています。鎖骨や胸骨から起始し、上腕骨に停止します。

医療と看護を知りたい

大胸筋の作用はどのようなものですか?

医療の研究家

大胸筋は上腕の内転、屈曲、内旋を行います。また、強制的な吸気の際にも補助筋として働きます。

大胸筋とは。

胸の筋肉である「大胸筋」は、胸の前面にある大きな扇状の筋肉です。肩関節の前面にあり、肩帯を形成しています。

大胸筋は、鎖骨の内側、胸骨、肋骨の軟骨、腹筋の鞘から始まり、上腕骨の大きな突起に向かって筋肉繊維が集まって止まります。また、起始部から3つの部分に分かれており、鎖骨の内側から始まる鎖骨部、胸骨と肋骨の軟骨から始まる胸肋部、腹筋の鞘から始まる腹部に分かれています。

大胸筋の働きは、腕を内側に引き寄せたり曲げたり、内側に回転させたりすることです。それぞれの起始部によって働きが異なり、肩関節の位置によっても働きが変わります。また、大胸筋は息を深く吸い込むときの補助筋としても働きます。

大胸筋を支配する神経は、腕神経叢から枝分かれした外側胸筋神経(C5-7)と内側胸筋神経(C8-Th11)です。身体の前面にある筋肉で、最も目立つため、上肢を使う仕事やスポーツ選手ではよく発達しています。

大胸筋の起始と停止

大胸筋の起始と停止

大胸筋の起始と停止

大胸筋は、鎖骨、胸骨、および肋骨から起始し、上腕骨の上部に停止する。鎖骨部は大胸筋の上部を占め、鎖骨の内側縁に起始します。胸骨部は鎖骨部のすぐ下に位置し、胸骨の体部と剣状突起に起始します。肋骨部は最も大きく、肋骨の第二からsixth肋軟骨に起始します。これら3つの部位は大胸筋を構成し、腋窩の前方で集まって腱を形成します。この腱は上腕骨の大結節稜につながり、停止します。

大胸筋の構成部位

大胸筋の構成部位

-大胸筋の構成部位-

大胸筋は、大きく分けて上部(鎖骨部)中部(胸骨部)下部(肋骨部)の3つの部位によって構成されています。

鎖骨部は、鎖骨の内側1/3に付着しており、腕を前に挙げる動作で主に活躍します。胸骨部は、胸骨のほぼ全幅にわたって付着しており、腕を前に押し出す動作で重要な役割を果たしています。肋骨部は、肋骨の内側に沿って付着しており、腕を下に引き下げる動作や呼吸を補助する際に働きます。

これらの3つの部位は、それぞれ異なる神経支配と血管分布を持っており、機能的な違いも反映されています。

大胸筋の作用

大胸筋の作用

大胸筋の作用は、肩関節と肘関節の動きに深く関係しています。その主な作用は、肩関節の屈曲、内転、内旋です。屈曲は腕を前方に持ち上げる動作、内転は腕を体の内側に寄せる動作、内旋は腕を内側に回す動作です。

また、大胸筋は肘関節の屈曲にも関与しています。肘を曲げて腕を体の内側に引き寄せる動作です。この作用は、腕の振り上げや手の届く範囲を広げるのに役立ちます。

さらに、大胸筋は呼吸にも関係しています。胸が膨らむときに肋骨を引き下げ、吸気補助筋として働きます。

大胸筋の支配神経

大胸筋の支配神経

大胸筋の支配神経

大胸筋は、胸骨、鎖骨、肋骨を起源として、上腕骨の大結節に付着する大きな筋肉です。この筋肉を支配する神経は、胸鎖神経外側胸神経の2つがあります。胸鎖神経は、C5からC7の脊髄神経から発生し、大胸筋の鎖骨部と胸骨部に分布しています。外側胸神経は、C7からC8の脊髄神経から発生し、大胸筋の内側面部を支配しています。これらの神経は、大胸筋が肩の屈曲、内旋、外転などの運動を行うのに必要な運動神経を供給しています。

大胸筋の臨床的意義

大胸筋の臨床的意義

大胸筋の臨床的意義に関しては、特に整形外科領域において注目されています。大胸筋は肩関節の挙上や内旋、胸郭の挙上に重要な役割を果たすため、この筋肉の損傷や機能低下はさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

例えば、大胸筋の断裂は、スポーツや重労働による外傷が原因で発生することがあり、激痛、腫脹、可動域の制限を引き起こします。また、大胸筋の筋力低下は、姿勢の崩れや肩こり、肩関節の不安定性などに関連しています。さらに、大胸筋の繊維化や癒着は、胸郭出口症候群などの神経血管障害の原因となることもあります。そのため、大胸筋の健康を維持することは、肩関節の機能と全身の健康にとって重要な意味を持っています。

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