ラ音:聴診で聞こえる異常な肺音
医療と看護を知りたい
先生、『ラ音』という言葉の意味を教えてください。
医療の研究家
ラ音とは、気管や気管支に異常があると聴こえる肺音のことだよ。
医療と看護を知りたい
なぜ『ラ音』と呼ぶのでしょうか?
医療の研究家
ベルクロラ音や副雑音とも呼ばれ、ベルクロ(マジックテープ)をはがす音に似ていることに由来しているんだよ。
ラ音とは。
「ラ音」と呼ばれる呼吸器用語は、気管や気管支に異常がある時に胸を聴診器で聴いた際に聞こえる、異常な肺の音のことです。ラッセル音の略で、ベルクロ音や副雑音とも呼ばれます。この名前の由来は、ベルクロ社製のマジックテープをはがすときの音に似ていることにあります。
ラ音とは
ラ音とは、聴診器を用いて肺を診察した際に聞こえる異常な肺音の1種です。吸気時に「ラララ」と連続的で細かな振動音を呈し、湿性ラ音としても知られています。ラ音は、肺胞や気管支内で気泡が破裂したり、粘液の振動によって発生します。通常は、肺水腫、肺炎、気管支炎などの肺疾患の兆候として現れます。
ラッセル音の由来
ラッセル音の由来
ラッセル音は、肺を聴診したときに聞こえる異常な肺音です。この音は、肺内の気道が狭くなって空気が流れるときに発生します。ラッセルという名前は、この音を最初に記載した医師、ウィリアム・ラッセルに由来しています。ラッセルは、1891年に「胸部のパーカッションと聴診」という論文を発表し、ラッセル音の特徴を詳しく説明しました。今日では、ラッセル音は喘息、慢性気管支炎、肺気腫などの肺疾患の徴候として知られています。
ベルクロラ音の由来
ベルクロラ音の由来は、ベルクロテープを剥がすときの「パリパリ」という音に由来しています。この音の特徴である2つの破裂音と連続的な摩擦音が、肺で発生するラ音の音質と似ていることから、ラ音を「ベルクロラ音」と呼ぶようになりました。
ラ音の種類
-ラ音の種類-
ラ音は、聴診によって確認される異常な肺音であり、その種類は多岐にわたります。主な種類を以下に示します。
* -湿性ラ音- 液体または分泌物が気道に貯留しているときに生じる音で、泡鳴音や捻髪音などがあります。
* -乾性ラ音- 気道が狭窄または閉塞しているときに生じる音で、喘鳴(ぜんめい)や捻髪音などがあります。
* -連続性ラ音- 気道が常に狭窄または閉塞している場合に生じるもので、喘鳴などがあります。
* -断続性ラ音- 気道が一時的に狭窄または閉塞する場合に生じるもので、捻髪音や湿性ラ音などがあります。
* -局所性ラ音- 限られた胸部領域で生じる音で、肺炎や気管支拡張症などが原因です。
* -拡散性ラ音- 肺全体で生じる音で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺浮腫などが原因です。
ラ音の臨床的意義
ラ音の臨床的意義とは、肺における病態や疾患を示す重要な指標となります。ラ音は、肺胞または気管支の異常な流体蓄積や気流の変化によって生じ、聴診器を用いて特定の部位から聞こえます。ラ音の種類や程度は、病態の重症度や進行状況を反映しており、医師による診断や治療方針の決定に役立ちます。例えば、湿ラ音は肺炎や気管支炎などの感染症を示唆し、捻発ラ音は肺浮腫や心不全の可能性を考慮する必要があります。