医療における『死腔』とは?
医療と看護を知りたい
死腔って、血液とガス交換を行わない部分のことですよね?
医療の研究家
その通りです。死腔は、気道の一部で、肺胞に達する前に空気が通過する部分です。
医療と看護を知りたい
肺胞に達しないってことは、ガス交換もされないってことですよね?
医療の研究家
そうです。ガス交換が行われないので、死腔と呼ばれています。換気に寄与していますが、ガス交換には寄与していません。
死腔とは。
医療分野で用いられる呼吸器関連の用語に「死腔」があります。死腔とは、気道の中で血液と酸素や二酸化炭素の交換が行われていない部分のことを指します。
死腔とは何か
医療における「死腔」とは、ガス交換が行われない肺の領域のことです。正常な肺は、吸い込んだ空気が気管支を通って肺胞と呼ばれる小さな空気の袋に到達し、血液中の二酸化炭素を酸素と交換します。しかし、死腔ではこのガス交換が起こりません。
死腔の仕組み
「死腔」とは、ガス交換に寄与しない肺胞内の空間のことです。正常な肺機能では、吸入した空気は気管支を通って肺胞に到達し、血液中の二酸化炭素と酸素を交換します。しかし、肺に病変や損傷があると、気管支や肺胞の形状が変化し、一部の領域に空気が滞留するようになります。これが「死腔」です。
死腔が存在すると、新鮮な空気が死腔中に溜まり、血液中の二酸化炭素を除去できなくなります。そのため、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、低換気状態を引き起こしてしまいます。また、死腔内の空気は酸素交換にも寄与しないため、血液中の酸素濃度が低下し、低酸素症にもつながります。
死腔の臨床的意義
医療における「死腔」とは、肺胞および気管内のガスと、動脈血内の二酸化炭素分圧差のことです。臨床的に、死腔は患者さんの呼吸機能の悪化と関連しています。死腔が増加すると、体内の二酸化炭素除去能力が低下し、血液中の二酸化炭素分圧が上昇します。これは、低酸素症や呼吸困難などの症状を引き起こす可能性があります。
死腔を測定する方法
-死腔を測定する方法-
死腔を測定するには、さまざまな方法があります。一般的な方法は、気道内圧と気道出口における流量を測定することです。これによって、呼気中に含まれる二酸化炭素の濃度から死腔量を計算できます。さらに、窒素を希釈ガスとして用いる方法もあります。これは、希釈ガスの濃度を測定することで死腔量を算出するというものです。また、胸部X線検査やCTスキャンも死腔を評価するために使用できます。これらの画像検査により、肺胞が正しく換気されているかどうか、つまり死腔量があるかどうかを判断できます。
死腔を改善する方法
医療における「死腔」の改善については、いくつかの方法があります。まず、肺胞換気を改善することが重要です。これには、胸部物理療法、吸入薬、適切な換気設定などが含まれます。また、気道分泌物を効果的に除去するための気道アスピレーションも有効です。さらに、呼吸筋の強化とトレーニングにより、換気効率が向上する可能性があります。最後に、合併症の早期発見と管理は、死腔の改善に不可欠です。