アジソン病とは?原因と症状、治療法を解説
医療と看護を知りたい
『アジソン病』について教えてください。
医療の研究家
アジソン病は、慢性の副腎疾患によって引き起こされる疾患です。
医療と看護を知りたい
副腎が関係しているのですね。具体的にはどのような症状が出るのでしょうか?
医療の研究家
アジソン病では、副腎皮質ホルモンの分泌低下によって、低血圧、低血糖、皮膚や粘膜の色素沈着などがみられます。
アジソン病とは。
「アジソン病」という用語は、医学の分野で内分泌系、代謝系、栄養系の問題を指します。
アジソン病とは、副腎の機能が低下することで、副腎皮質ホルモンの分泌が減少する慢性の病気です。この病気は、両側の副腎に後天的に障害が生じることで引き起こされます。
アジソン病の概要
アジソン病とは、身体のストレスに対する反応を調節するホルモンであるコルチゾールとアルドステロンが、副腎(腎臓の上部にある小さな臓器)から十分に分泌されなくなってしまう病気です。これにより、低血圧、体重減少、食欲不振、倦怠感などの症状を引き起こします。アジソン病は比較的まれな病気であり、人口の約10万人に1人の割合で発生することが知られています。
アジソン病の原因
アジソン病の原因は、通常、副腎機能の障害が関係しています。副腎は、ストレスに対処するホルモンであるコルチゾールと、体内の電解質バランスを維持するホルモンであるアルドステロンを産生する臓器です。アジソン病は、副腎がこれらのホルモンを十分に産生できない場合に発生します。
副腎機能障害の原因は多様であり、最も一般的な原因は自己免疫性疾患です。自己免疫性疾患では、免疫系が自分の体を攻撃し、副腎を傷つけます。他の原因としては、感染症、結核、副腎腫瘍、副腎摘出手術などが挙げられます。
アジソン病の症状
アジソン病を発症するとさまざまな症状が現れます。代表的な症状は、体重減少、食欲不振、強い疲労感です。また、皮膚や粘膜が黒ずむ、低血圧や低血糖、筋肉の無力などの症状も見られます。さらに、性格の変化や認知機能の低下を伴う場合もあります。このような症状が慢性的に続くのがアジソン病の特徴です。
アジソン病の診断
アジソン病の診断
アジソン病の診断は、病歴、身体診察、血液検査を総合して行われます。病歴では、一般的な倦怠感や筋肉の衰弱、体重減少や腹部膨満感など、アジソン病の特徴的な症状について尋ねられます。身体診察では、皮膚の色、血圧や心拍数、体重や身長をチェックします。
血液検査では、コルチゾール値と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)値を測定します。コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスに対処するのに役立ちます。ACTHは脳下垂体から分泌されるホルモンで、副腎皮質にコルチゾールを分泌するよう促します。アジソン病では、コルチゾール値が低く、ACTH値が高いのが特徴です。
さらに、アミノグルテチミド試験やインスリン誘発性低血糖試験などの特殊な検査が行われることもあります。これらの検査では、コルチゾール分泌に対する副腎の反応を評価します。
アジソン病の治療法
アジソン病の治療法アジソン病の治療法は、失われた副腎皮質ホルモンの補充が中心となります。この補充療法は、一般的に生涯にわたって継続する必要があります。治療薬には、コルチコステロイド(ヒドロコルチゾン、プレドニゾンなど)と、ミネラルコルチコイド(フルドロコルチゾンなど)の2種類があります。コルチコステロイドは、ストレス時や病気の際に必要なホルモンの補充を行います。ミネラルコルチコイドは、ナトリウムを保持してカリウムを排泄する働きがあり、電解質バランスを保ちます。治療中は、定期的な血液検査と医師の診察が必要となります。また、ストレスの多い状況や病気の際は、追加のホルモン補充が必要になる場合があります。