抗利尿ホルモンとは?利尿を抑制するホルモン
医療と看護を知りたい
抗利尿ホルモンについて教えてください。
医療の研究家
抗利尿ホルモンとは、利尿を妨げる働きを持つホルモンです。血管を収縮させて血圧を上げる効果もあります。
医療と看護を知りたい
利尿を妨げるという事は、尿量を減らすということですか?
医療の研究家
そうです。抗利尿ホルモンは、腎臓での水の再吸収を促進し、尿量を減らします。
抗利尿ホルモンとは。
「体の水分バランスを整えるホルモンで『抗利尿ホルモン』と呼ばれるものがあります。これは、尿の排出を抑える役割を担っています。別名でバソプレッシンとも呼ばれます。脳下垂体から分泌され、血管を収縮させることで血圧を上昇させる働きもあります。」
抗利尿ホルモンとは
-抗利尿ホルモンとは-
抗利尿ホルモンは、腎臓の尿生成プロセスを制御するホルモンです。尿の産生を抑制することで、体内の水分を保つのに役立ちます。このホルモンは、脳下垂体後葉と呼ばれる脳の一部分から分泌されます。
抗利尿ホルモンの働き
抗利尿ホルモンは、利尿を抑えるホルモンとして知られています。腎臓の遠位尿細管や集合管で作用し、水分を再吸収して尿の濃度を上げ、尿量を減少させます。これにより、体内の水分量を保ち、脱水症を防ぎます。また、抗利尿ホルモンは、血漿浸透圧を上昇させ、のどの渇きを促す働きもあります。
抗利尿ホルモンの分泌
抗利尿ホルモンの分泌は、主に視床下部の浸透圧受容器が血液中の浸透圧をモニターすることで調節されています。浸透圧が上昇すると、視床下部の神経細胞が刺激され、脳下垂体後葉から抗利尿ホルモンが分泌されます。
このホルモンは、腎臓の集合管に作用して、水に対する透過性を高めます。これにより、尿液から水が再吸収され、血中の浸透圧が低下します。逆に、浸透圧が低下すると、視床下部の神経細胞の刺激が弱まり、抗利尿ホルモンの分泌が抑制されます。その結果、腎臓での水再吸収が減少し、尿量が增加します。
抗利尿ホルモンの過剰と不足
抗利尿ホルモンの過剰は、尿量が極端に減る「尿崩症」を引き起こします。この状態では、体は必要以上に水分を保持してしまい、血液中のナトリウム濃度が低下します。一方、抗利尿ホルモンの不足は「中枢性尿崩症」という別の状態を引き起こします。この場合、尿量が過剰となり、頻繁に排尿やのどの渇きが発生します。
抗利尿ホルモンに関する疾患
-抗利尿ホルモンに関する疾患-
抗利尿ホルモン(ADH)の生成や分泌に異常が生じると、さまざまな疾患につながることがあります。代表的な疾患として挙げられるのが、「尿崩症」と「症候性多飲多尿」です。
「尿崩症」は、ADHの生成または分泌が不足することで起こり、過剰な排尿を引き起こします。これにより、脱水症状や電解質不均衡を引き起こす可能性があります。原因には、脳下垂体や視床下部の損傷、腎臓のADH感受性の低下などが考えられます。
一方、「症候性多飲多尿」は、何らかの疾患や薬物によってADHの作用が阻害されることで生じます。この疾患では喉の渇きが強まり、大量の水分を摂取する一方、排尿量も増加します。原因としては、糖尿病や頭部外傷などが挙げられます。