内視鏡的乳頭切開術(EST):わかりやすく解説!
医療と看護を知りたい
「内視鏡的乳頭切開術」とは何ですか?
医療の研究家
内視鏡を用いて、胆管や膵管の出口にある乳頭括約筋を切開する処置です。
医療と看護を知りたい
「乳頭括約筋」とはどこにありますか?
医療の研究家
十二指腸と胆管や膵管が合流する出口にあります。
内視鏡的乳頭切開術とは。
「内視鏡を用いた処置の『内視鏡的乳頭切開術』」
内視鏡的乳頭切開術とは、内視鏡を使用し、十二指腸乳頭の乳頭括約筋を切開する処置のことです。別名、内視鏡的乳頭括約筋切除術とも呼ばれています。
内視鏡的乳頭切開術とは?
内視鏡的乳頭切開術(EST)とは、内視鏡という細長い管状の器具を用いて、十二指腸乳頭(膵液と胆汁が共通の出口から十二指腸に排出される場所)を切開し、ふさいでいた結石や狭窄を取り除く処置です。通常、十二指腸乳頭の結石や狭窄により、膵炎や胆管炎などの炎症や痛みが生じる場合に行われます。ESTにより、これらの閉塞物を除去することで、炎症や痛みの緩和、さらには予防につながります。
内視鏡的乳頭切開術の適応
内視鏡的乳頭切開術(EST)は、胆管や膵管の結石、狭窄、閉塞などの閉塞性疾患の治療に適応する処置です。これらの疾患は、胆管炎、膵炎、黄疸などの症状を引き起こす可能性があります。ESTは、内視鏡を用いて乳頭と呼ばれる胆管と膵管が十二指腸に開く部分を切開し、閉塞を解除して胆汁や膵液の流れを改善します。
内視鏡的乳頭切開術の手順
内視鏡的乳頭切開術(EST)の手順
ESTでは、細長い内視鏡を口から挿入し、胃や十二指腸を通り、肝臓や胆嚢につながる総胆管に到達させます。この内視鏡には、小さな切開器具が取り付けられており、総胆管の入り口である乳頭部を切開します。切開により、胆汁の流れが改善され、胆管内の結石が取り除かれやすくなります。その後、必要に応じて、結石を取り除いたり、胆管を拡張したりする処置が行われます。ESTは通常、局所麻酔または鎮静下で行われ、日帰り手術として行われます。
内視鏡的乳頭切開術の合併症
内視鏡的乳頭切開術(EST)は、胆管や膵管の詰まりを治療するための内視鏡処置です。一般的には安全な処置ですが、まれに合併症が起こることがあります。
最も一般的な合併症は、処置による出血です。これは、乳頭や胆管が損傷することが原因で起こります。重度出血が起こることはまれですが、輸血が必要になることもあります。
他の合併症としては、感染症、膵炎、穿孔などがあります。感染症は、処置後に細菌が胆管や膵管に入ることで起こります。膵炎は、処置中に膵臓が損傷することが原因で起こります。穿孔とは、胆管や膵管に穴が開くことで、これは非常にまれですが、重篤な合併症です。
内視鏡的乳頭切開術の禁忌
-内視鏡的乳頭切開術の禁忌-
内視鏡的乳頭切開術(EST)は、胆管や膵管結石の治療に用いられる手技ですが、すべての人に適しているわけではありません。
以下に、ESTの禁忌を挙げます。
* -重度の胆管炎や膵管炎- これらの炎症がコントロールされていない状態では、ESTは危険を伴います。
* -重度の出血傾向- ESTは出血リスクが高い手技のため、凝固障害のある患者には適しません。
* -重度の心血管疾患- ESTは麻酔が必要な手技のため、重度の心血管疾患のある患者にはリスクが高くなります。
* -妊娠- 妊娠中はESTは避けることが推奨されています。