ヘルニアとは?種類や原因を徹底解説
医療と看護を知りたい
先生、「ヘルニア」という言葉の意味を教えてください。
医療の研究家
ヘルニアとは、体内の臓器や組織が本来あるべき場所から脱出してしまった状態のことだよ。
医療と看護を知りたい
脱出する原因は何ですか?
医療の研究家
原因は先天的(生まれつき)なものと後天的なものがあります。生まれつきの裂け目や欠損部の他にも、加齢や怪我などによってできることもあります。
ヘルニアとは。
「ヘルニア」とは、生まれつきまたは後にできた体の壁の破れ目や弱い部分から、臓器の一部がはみ出している状態を指す医学用語です。
ヘルニアの定義
ヘルニアとは、身体内の器官や組織が、周囲を覆う筋肉や結合組織の弱い部位から突出する状態を指します。ヘルニアは、体のあらゆる部位で発生する可能性があり、最も一般的なのは「脱腸」で、内臓が腹壁の弱い部位から飛び出します。ただし、背骨から椎間板が突出する「椎間板ヘルニア」や、筋肉の弱い部位から脂肪が飛び出す「脂肪ヘルニア」など、さまざまな種類があります。
ヘルニアの種類
ヘルニアの種類
ヘルニアには、発生する部位や内容物によってさまざまな種類があります。代表的なものを以下に示します。
* 鼠径ヘルニア 鼠径部から腸の一部が飛び出す。最も一般的なヘルニアです。
* 大腿ヘルニア 鼠径部の内側、大腿動脈の近くから腸の一部が飛び出す。
* 臍ヘルニア 臍の周囲から腸の一部が飛び出す。新生児や幼児に多く見られます。
* 正中ヘルニア 腹部正中線から腹部の内容物が飛び出す。肥満や加齢に関連しています。
* 切開ヘルニア 腹部の外傷や手術後の瘢痕から腸の一部が飛び出す。
* 逆流性食道ヘルニア 胃の一部が食道に向かって飛び出す。胸焼けや胃食道逆流症を引き起こす可能性があります。
ヘルニアの原因
-ヘルニアの原因-
ヘルニアの主な原因は、腹壁や筋肉などの体壁が弱くなることです。この弱さは、生まれつき持っていたり、加齢や怪我、手術などの後に生じたりします。
また、腹圧の上昇もヘルニアの発生に寄与します。腹圧は、咳、くしゃみ、排便、重いものを持ち上げるなどの動作によって増加します。腹圧が高まると、腹壁に圧力がかかり、弱い部分から内臓が押し出されてしまいます。
さらに、肥満や妊娠も腹圧を上昇させ、ヘルニアのリスクを高めます。肥満では、腹部の脂肪が腹壁に負担をかけ、筋肉の弱化につながります。妊娠では、お腹の大きくなるにつれて子宮が腹壁を押しつけ、弱めます。
ヘルニアの症状
ヘルニアの症状は、そのタイプによって異なります。椎間板ヘルニアの場合、神経根が圧迫されるため、たいていは片側の痛みやしびれ、筋力低下などがみられます。圧迫されている神経根によって、痛みやしびれが首、肩、腕、腰、おしり、脚などの特定の部位に出現します。また、内臓ヘルニアの場合は、突出している内臓の機能不全により、関連する症状が出る場合もあります。さらに、鼠蹊ヘルニアでは、鼠蹊部に膨らみができ、痛みや違和感などが生じることもあります。
ヘルニアの治療法
-ヘルニアの治療法-
ヘルニアはさまざまな方法で治療できます。軽度のヘルニアの場合、生活習慣の改善や運動療法で症状を緩和できることもあります。例えば、肥満の場合は体重を減らすことで腹部の圧力を軽減し、ヘルニアを改善することができます。また、腹筋を鍛える運動を行うことで、腹部の筋力を強化し、ヘルニアを支えることができます。
ヘルニアの症状が重度の場合、または改善しない場合は、外科的治療が必要になることがあります。外科的治療には、ヘルニアの切除と腹壁の強化が含まれます。切除では、ヘルニアを形成している組織を取り除きます。腹壁の強化では、ヘルニアが再び発生しないように、腹部の筋肉を縫合したり、メッシュ状の素材を使用したりして強化します。
外科的治療は通常、日帰り手術または短期間の入院で行われます。術後の回復期間は数日から数週間です。ほとんどの場合、適切な治療を受ければヘルニアの症状は大幅に改善し、日常生活に戻ることができます。