鼠径ヘルニアとは?
医療と看護を知りたい
鼠径ヘルニアについて教えてください。
医療の研究家
鼠径ヘルニアは、鼠径部に腹部の組織が飛び出す状態です。ヘルニアの中で最も多く見られ、特に乳幼児期の男児や中高年男性に発症しやすいです。
医療と看護を知りたい
なぜ乳幼児と中高年の男性に多いのですか?
医療の研究家
乳幼児では腹筋が発達していないため、腹圧が高まるとヘルニアができやすくなります。中高年男性では加齢によって筋力が低下し、ヘルニア発生のリスクが高まります。
鼠径ヘルニアとは。
鼠蹊部(そけいぶ)に起こる「鼠蹊ヘルニア」は、腹部の臓器の一部が鼠蹊部から飛び出す病気です。ヘルニアの一種で、中でも最も多いタイプです。特に男児の乳幼児期と中高年男性に多く見られます。
鼠径ヘルニアの特徴
-鼠径ヘルニアの特徴-
鼠径ヘルニアは、主に腹部内容物が鼠径部に突出して起こる、腹壁の脱出です。そのため、鼠径部の膨らみや隆起が主な症状となります。この突出した部分は、咳や力んだときにはより目立ち、横になったり腹圧が下がると小さくなったり消えたりする場合があります。
鼠径ヘルニアは、片側性と両側性の2種類があります。片側性は、左右どちらか一方の鼠径部に発生するもので、ほとんどの場合が右側に起こります。両側性は、左右両方の鼠径部に発生するタイプです。また、ヘルニアの大きさは様々で、小さなものからテニスボール大のものまであります。
鼠径ヘルニアの症状
鼠径ヘルニアの症状とは、ヘルニアの発生している部位によって異なります。最も一般的なのは、鼠径部(そけいぶ)に隆起や膨らみが生じることです。これは、立ち上がったり、咳をしたり、重たいものを持ち上げたりすると、より顕著になります。また、痛み、不快感、重だるさも一般的です。鼠径ヘルニアが大きくなると、腸閉塞や絞扼(こうやく)を引き起こす可能性があります。腸閉塞は、腸の内容物が通過できなくなる状態で、絞扼は、ヘルニアの袋の中で腸がねじれて血流が遮断される状態です。どちらも重篤な状態であり、緊急の治療が必要になります。
鼠径ヘルニアの原因
-鼠径ヘルニアの原因-
鼠径ヘルニアを引き起こす原因はさまざまです。主に、腹腔内の圧力が強まることで、腹部の弱い部分が飛び出し、鼠蹊部で突起となって現れます。この圧力の上昇は、重い物を持ち上げたり、咳やくしゃみなどの腹圧がかかる動作によって発生します。
さらに、腹壁の筋肉が弱いことも、鼠径ヘルニアの原因の一つです。腹壁の筋肉には、腹腔内の臓器を支える役割がありますが、加齢や手術後の傷などにより筋肉が弱まると、鼠蹊部の弱い部分から腹膜が飛び出す可能性が高くなります。
その他、生まれつきの腹壁の欠陥や、腹腔内に腫瘍がある場合にも、鼠径ヘルニアが発生することがあります。
鼠径ヘルニアの治療
鼠径ヘルニアの治療
鼠径ヘルニアの治療法は、その重症度や患者さんの状態によって異なります。軽度の場合は、生活習慣の改善やコルセットの着用などで様子を見ることもあります。
症状が進行したり、痛みや不快感がある場合は、外科手術が必要になるケースがあります。手術は局所麻酔で行われ、約1~2時間ほどで終了します。手術では、飛び出した腸や腹膜を元の場所に戻し、ヘルニア孔を縫合してふさぎます。
鼠径ヘルニアの予防
鼠径ヘルニアの予防を講じることで、発症リスクを減らすことができます。日常的に注意すべき点としては、以下のことが挙げられます。
まず、過体重または肥満の解消が有効です。過剰な体重は腹圧を高め、鼠径部に負担をかけるため、減量することでリスクを下げることができます。また、規則正しい運動の習慣も重要です。適度な運動は腹部の筋肉を強化し、ヘルニアの発生を防ぐのに役立ちます。さらに、重たい物の持ち上げを避けることも大切です。重たい物を持つ際は、正しい姿勢を心がけ、無理をしないようにしましょう。