胆管細胞がんとは?わかりやすく解説
医療と看護を知りたい
先生、「胆管細胞がん」について詳しく教えてください。
医療の研究家
「胆管細胞がん」とは、肝臓内の胆管上皮細胞に発生する悪性腫瘍だね。原発性肝がんの一種で、肝内胆管がんとも呼ばれるよ。
医療と看護を知りたい
「胆管上皮細胞」とは、どの細胞ですか?
医療の研究家
胆管上皮細胞は、胆汁を作り、胆管を内側で覆う細胞だよ。胆汁は、脂肪の消化を助ける液体だね。
胆管細胞がんとは。
胆管がんとは、肝臓内の胆管にできるがんです。正式には胆管細胞がん(たんかんさいぼうがん)と呼ばれ、肝臓に発生する原発性肝がんの一種です。
胆管細胞がんとはどんな病気?
胆管細胞がんとは、肝臓から十二指腸へと胆汁を運ぶ胆管に発生する悪性腫瘍です。胆管は細かな枝に分かれており、胆管細胞がんはこの胆管細胞から発生します。胆管細胞がんは、胆管のどの部位でも発生する可能性がありますが、最も多く発生するのは肝臓に近い部位です。
肝内胆管がんとも呼ばれる理由
胆管細胞がんは、肝臓内の胆管から発生する悪性腫瘍です。その中でも、肝臓内に胆管が分布する部位に発生するものを肝内胆管がんと呼びます。この名前は、胆管細胞がんが発生する場所が肝臓内であることを示しています。肝臓内胆管がんは、胆管細胞がん全体の約半数を占めており、肝臓がんの中では比較的まれなタイプです。
胆管細胞がんの原因と危険因子
胆管細胞がんは、胆管という、肝臓から胆汁を十二指腸に運ぶ管に発生する悪性腫瘍です。その原因は複雑で、まだ十分には解明されていませんが、いくつかの危険因子が関連していることが分かっています。
まず挙げられる重要な危険因子として、原発性硬化性胆管炎(PSC)があります。PSCは、胆管が狭窄し炎症を起こす自己免疫疾患です。PSC患者は、非PSC患者と比較して胆管細胞がんを発症するリスクが大きく上昇します。
また、肝硬変も胆管細胞がんの危険因子として挙げられます。肝硬変では、肝臓が損傷して線維化し、正常な機能を果たせなくなります。肝硬変患者は、一般の人よりも胆管細胞がんを発症する可能性が高くなります。
さらに、胆嚢摘出術も胆管細胞がんのリスク上昇と関連しています。胆嚢摘出術を行った人は、行っていない人に比べて胆管細胞がんを発症するリスクがわずかに上昇することが報告されています。
他にも、肥満、糖尿病、喫煙などが胆管細胞がんの危険因子として挙げられていますが、その因果関係は完全には解明されていません。
胆管細胞がんの症状と診断
胆管細胞がんの症状と診断
胆管細胞がんの初期段階では、ほとんど症状が現れません。しかし、がんが進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
* 黄疸(皮膚や白目の黄変)
* 腹痛
* 悪心、嘔吐
* 発熱
* 体重減少
胆管細胞がんの診断には、以下のような検査が行われます。
* 血液検査腫瘍マーカーの測定
* 画像検査CTスキャン、MRI、超音波検査など
* 生検がん細胞の採取と顕微鏡による検査
胆管細胞がんの治療法と予後
胆管細胞がんの治療法は、がんの進行度や患者さんの全身状態によって異なります。一般的に、早期の段階では外科手術が選択されます。外科手術では、がんを切除するために胆管の一部または全体が摘出されます。
進行した胆管細胞がんの場合は、化学療法や放射線療法などの治療法が検討されます。化学療法は抗がん剤を使用し、がん細胞の増殖を抑制します。放射線療法は放射線を照射し、がん細胞を破壊します。これらの治療法は、単独または併用して行われることがあります。
胆管細胞がんは、早期発見・治療が予後を大きく左右するがん種です。早期に発見され、適切な治療を受けられれば、5年生存率は80%以上に達します。しかし、進行した胆管細胞がんの場合、予後は一般的に不良です。5年生存率は20%未満とされています。