来院直後心肺停止とは?その概要を解説
医療と看護を知りたい
先生。来院直後心肺停止という言葉について教えてください。
医療の研究家
来院直後心肺停止とは、医療機関に来た直後に心臓か肺機能、あるいは両方が止まってしまう状態のことだよ。
医療と看護を知りたい
心臓か肺が両方とも止まることもあるんですか?
医療の研究家
そうなんだ。どちらも止まってしまうことを両側性の来院直後心肺停止と呼ぶよ。
来院直後心肺停止とは。
来院直後の心肺停止は、患者が医療機関に到着直後に心臓または肺の機能、あるいはその両方が停止している状態を指します。
来院直後心肺停止の定義と特徴
-来院直後心肺停止の定義と特徴-
来院直後心肺停止(IHCA)とは、病院に到着時に心肺停止状態にあることを指します。この状態では、患者は心臓が停止しており、呼吸もありません。IHCAは、心臓発作、溺水、窒息などのさまざまな原因で発生する可能性があります。
IHCAの特徴として、予後が不良であることが挙げられます。病院に到着時に心肺停止状態にある場合、生存率はわずか5~10%といわれています。また、蘇生が難しいことも特徴です。病院外で発生するIHCAでは、発見が遅れたり、救命措置が不十分だったりすることが多いため、蘇生が困難になります。
発生メカニズムと原因
-発生メカニズムと原因-
来院直後心肺停止は、主に心血管系の疾患が原因で起こります。心臓の電気的な活動が異常になったり、心臓の筋肉が弱まったりして、心臓がポンプ機能を失います。
心血管系の疾患以外にも、以下のような原因が挙げられます。
* 心筋梗塞 心臓の冠状動脈が詰まって心臓に血液が供給されなくなる
* 不整脈 心臓の電気的な活動が乱れて脈が速くなったり遅くなったりする
* 心臓弁膜症 心臓弁が正常に機能しなくなり、血液の流れが妨げられる
* 心筋症 心臓の筋肉が肥大したり硬くなったりして、ポンプ機能が低下する
* 外傷 胸部の衝撃で心臓に損傷を与える
来院直後心肺停止の予後と救命率
来院直後心肺停止の予後
来院直後心肺停止(IHCA)の予後は、心肺蘇生法の開始時間、除細動の必要性、根本的な病状によって大きく異なります。一般的に、院外心肺蘇生(CPR)がすぐに開始され、除細動が必要でない場合は、予後は良好です。しかし、CPRが遅れたり、除細動が必要な心室細動などの重篤な不整脈が発生したりすると、予後は悪くなります。
来院直後心肺停止の救命率
全国的な統計によると、来院直後心肺停止の救命率はおよそ10~15%です。この数字は、CPRの有効性、病院での治療の質、患者の根本的な健康状態などの要因によって変動します。救急隊員の迅速な対応と、適切なCPRおよび救命措置が、生存率の向上に不可欠です。
患者のケアと処置
-患者のケアと処置-
来院直後心肺停止の患者に対しては、一刻を争う救急処置が必要です。救急隊員による心肺蘇生術(CPR)の開始は、患者の生存率向上に不可欠です。CPRは、胸骨圧迫と人工呼吸によって、心臓と肺の機能を代行します。
病院到着後は、さらに高度な処置が施されます。医療スタッフは、心電図モニタリングによる心拍や心電図の確認、酸素投与、静脈路確保による薬物投与などを行います。また、除細動器を使用して、心室細動などの心室性不整脈を電気ショックによって停止させる場合もあります。
重篤な患者には、カテーテル挿入による血管撮影や、塞栓除去のための血栓溶解療法などの侵襲的な処置が必要になる場合があります。さらに、低体温療法や心臓補助装置の導入により、脳や心臓のダメージを軽減することも試みられます。
来院直後心肺停止の予防策
来院直後心肺停止の予防策として重要なのは、患者の病状を早期に察知し、適切な処置を行うことです。そのためには、患者の状態を注意深く観察し、異常をいち早く発見することが必要です。また、重篤な患者を早期に特定し、必要な処置を迅速に行えるよう、医療スタッフ間の連携を強化することも重要です。さらに、患者やその家族に対して、心肺停止の兆候や予防策に関する教育を行うことも重要です。これらの対策を講じることで、来院直後心肺停止の発生を予防し、患者の安全確保に努めることができます。