医療機器「フットポンプ」とは
医療と看護を知りたい
「フットポンプ」とはなんですか?
医療の研究家
「フットポンプ」は、下肢の静脈血の還流を助ける医療機器で、手術後の患者の静脈血栓塞栓症予防に使われます。
医療と看護を知りたい
「静脈血栓塞栓症」ってどういう病気ですか?
医療の研究家
静脈血栓塞栓症は、下肢に血栓が生じて、それが肺の動脈を詰まらせる病気です。手術後や長時間同じ姿勢を保っていると発症しやすくなります。
フットポンプとは。
-フットポンプ-
「フットポンプ」とは、足やふくらはぎを圧迫して静脈の血流を促す医療機器のことです。手術後などに長く寝たきりになる患者さんが、静脈血栓塞栓症(以下、血栓症)を防ぐために使用します。間欠的空気圧迫装置やIPCポンプとも呼ばれます。
-静脈血栓塞栓症-
血栓症は、下肢の静脈に血栓(血の塊)ができる「深部静脈血栓症」と、血栓が肺の血管を詰まらせる「肺血栓塞栓症」の総称です。
通常、下肢の静脈血は、脚の筋肉の動きによって心臓へと戻されています。しかし、手術後などで長い間動けないと、静脈血が流れにくくなり、血栓ができることがあります。深部静脈血栓症では、脚の痛みや腫れがみられますが、無症状の場合もあります。肺血栓塞栓症では、胸の痛みや息切れが起こります。
血栓症は、手術後だけでなく、飛行機やバスなどで長時間同じ姿勢でいることでも起こります。エコノミー症候群やロングフライト血栓症とも呼ばれます。重症化すると命にかかわることもあるため、予防としてフットポンプが使用されています。
-種類-
フットポンプには4種類あり、それぞれが次の部分を圧迫します。
* -下腿型(カーフポンプ):-ひざから足首まで
* -足底型(フットポンプ):-足の裏
* -下腿大腿型(カーフタイポンプ):-ひざから太ももまで
* -足底下腿型(フットカーフポンプ):-足の裏とひざ
手術の種類や患者の状態に合わせて使い分けられます。
-メリット・デメリット-
-メリット-
* 出血のリスクが高い患者や薬の投与が難しい患者にも使用できる
* 下肢を動かせない場合でも、静脈の血流を促進できる
-デメリット-
* チューブでつながれているため、早期の離床を妨げる可能性がある
-注意点-
血栓症が疑われる場合は、フットポンプの使用をすぐに中止してください。血栓症の患者にフットポンプを使用すると、血栓が流れて肺血栓塞栓症を引き起こす危険性があります。
静脈血栓塞栓症とは
静脈血栓塞栓症とは、血栓が静脈に形成され、その一部が肺の動脈に移動して閉塞する病気です。この状態は、血流の妨げとなり、肺に重大なダメージを与える可能性があります。
静脈血栓塞栓症は、長時間同じ姿勢を保つことや、血液が固まりやすい状態にあるときに起こりやすいです。たとえば、長時間のフライトや入院、手術などがその一例です。
フットポンプの種類
-フットポンプの種類-
フットポンプには、さまざまな種類があります。最も一般的な種類は、座りながらまたは立った状態で足を踏みつけるペダル式フットポンプです。このタイプのフットポンプは、小型でポータブルなので、家庭や旅行先で手軽に使用できます。
もう一つの一般的な種類は、足に装着するブーツ型のフットポンプです。このタイプのフットポンプは、足を動かすだけで血流を促進するため、長時間座ったままの仕事をしている人や、運動不足の人に向いています。
その他にも、自動圧縮機能付きのフットポンプや、空気圧技術を利用したフットポンプなど、さまざまなタイプのフットポンプがあります。それぞれのフットポンプには、独自の機能と利点があるので、自分のニーズに合ったタイプを選ぶことが重要です。
フットポンプのメリット
-フットポンプのメリット-
フットポンプの大きな利点は、足や下肢の循環を改善できることです。 ポンピング動作により、静脈が圧迫され、血液が心臓に向かって押し戻されます。これにより、むくみやだるさ、しびれなどの症状が緩和されます。
さらに、フットポンプは筋肉を強化できます。足をポンピングすると、ふくらはぎや足首の筋肉が収縮します。この連動作用により、筋肉の力が向上し、バランスや安定性が向上します。
また、フットポンプはリラックス効果もあります。マッサージ作用により、緊張やこりがほぐれ、ストレスが軽減されます。
フットポンプのデメリット
フットポンプには、以下のようなデメリットもあります。音が大きいという点です。作動中はモータの音が響くので、静かな環境では使用しづらいかもしれません。また、動作が単調なので、継続的な使用では退屈に感じる人もいるでしょう。さらに、長時間使用すると足が疲れる場合があります。また、効果には個人差があるため、すべての患者に有効というわけではありません。
フットポンプ使用時の注意点
フットポンプの使用上の注意点を理解することは、安全かつ効果的な治療するために不可欠です。まず、フットポンプの使用は、医師や理学療法士などの医療専門家の指導の下で行うことが重要です。また、血液凝固障害や皮膚感染症などの既往のある場合は、フットポンプの使用を避けるべきでしょう。さらに、使用時は適切なサイズと形状のフットポンプを選ぶことで、最適な圧迫効果が得られます。過剰な圧迫は、組織への損傷につながる可能性があるため注意が必要です。