【医療用語】陳旧性心筋梗塞とは?
医療と看護を知りたい
先生、『陳旧性心筋梗塞』について教えてください。
医療の研究家
陳旧性心筋梗塞とは、冠動脈が詰まることで心筋に壊死が生じた心筋梗塞が発症してから30日以上経過した状態のことですよ。
医療と看護を知りたい
つまり、30日以上前の心筋梗塞のことですね。
医療の研究家
その通りです。では、何か他の質問はありますか?
陳旧性心筋梗塞とは。
「心臓病に関する医学用語に『陳旧性心筋梗塞』があります。陳旧性心筋梗塞とは、冠動脈が詰まって心筋が壊死する心筋梗塞が起きてから30日以上経過した状態です。」
陳旧性心筋梗塞の定義
陳旧性心筋梗塞とは、心筋が酸素不足により壊死した状態が、発症から少なくとも数週間、通常は数か月以上経過したものです。この心筋の損傷は、心臓に血液を供給する冠動脈が血栓によって塞がれることで起こります。血栓が完全に溶解されるか、形成されないまま十分な血液が心筋に流れると、心筋は徐々に修復され、瘢痕組織に置き換わります。この修復と瘢痕形成のプロセスには時間がかかり、通常は数週間から数か月かかります。
症状と診断方法
-症状と診断方法-
陳旧性心筋梗塞は、発症から数日から数週間経過した心筋梗塞を指します。急性期を過ぎると、心筋細胞の壊死部分が線維化して瘢痕組織に置き換わります。このため、急性期に見られるような激しい胸痛などの症状は消失することが多くあります。
診断には、既往歴や心電図検査、血液検査などが用いられます。心電図では、心筋梗塞の部位に対応する心筋の電気的異常が認められる場合があります。血液検査では、心筋細胞が破壊された際に放出されるタンパク質(トロポニンやCK-MB)の濃度上昇が確認できます。また、心臓エコーやCT検査などによって、心臓の機能や瘢痕組織の程度を評価するケースもあります。
治療方法
陳旧性心筋梗塞の治療方法は、その重症度や患者の状態に応じて異なります。軽症の場合、薬物療法のみで済むこともあります。薬物療法では、血栓形成を抑制する抗血小板薬や抗凝固薬、心臓の働きを改善する強心薬などが用いられます。
中程度から重度の陳旧性心筋梗塞では、薬物療法に加えて外科的治療が必要となる場合があります。外科的治療には、狭窄した冠動脈を拡張するステント留置術や、冠動脈をバイパスするバイパス術などが含まれます。これらの治療によって、心臓への血流を改善し、心筋梗塞の再発や心臓発作のリスクを低減することを目指します。
予後と合併症
-予後と合併症-
陳旧性心筋梗塞の予後は梗塞範囲や心機能の低下程度によって大きく異なります。一般的に、梗塞範囲が小さい患者は予後が良く、梗塞範囲が大きい患者ほど予後が悪くなります。また、心機能低下が進行している患者は予後が悪くなります。
陳旧性心筋梗塞の主な合併症としては、心不全、不整脈、心筋梗塞の再発などが挙げられます。心不全は、心筋が損傷を受けてポンプ機能が低下することで起きる症状で、息切れやむくみなどの症状が出現します。不整脈は、心筋梗塞によって心臓の電気系統に異常が生じることが原因で発生します。心筋梗塞の再発は、陳旧性心筋梗塞の患者でも起こり得る合併症で、再発が起こると予後が悪くなります。
予防方法
-予防方法-
陳旧性心筋梗塞を予防するには、心血管病のリスク因子を管理することが重要です。その方法は、喫煙の回避、バランスのとれた食事の摂取、定期的な運動、体重管理、ストレスの軽減などが含まれます。また、高血圧や高コレステロール血症などの慢性疾患を適切に管理することも、心筋梗塞のリスクを軽減するのに役立ちます。さらに、定期的に医師の診察を受け、心臓の健康状態をチェックすることも早期発見と予防に役立ちます。