起立性低血圧とは?その原因と治療法
医療と看護を知りたい
『起立性低血圧』の意味を教えてください。
医療の研究家
臥位から立位になったときに、重力の影響で下半身に血液が偏り、血圧が低下する症状のことです。
医療と看護を知りたい
血圧がどのくらい低下するんですか?
医療の研究家
収縮期血圧が20mmHg、拡張期血圧が10mmHg以上低下します。
起立性低血圧とは。
「医療用語で『起立性低血圧』というものがあります。これは、寝た状態から立った状態に体を起こした際に、重力によって血液が下半身に流れ込み、収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下する状態のことです。」
起立性低血圧の原因
-起立性低血圧の原因-
起立性低血圧は、立ち上がるときに血圧が急激に低下することによって引き起こされる症状です。この血圧低下の原因はさまざまで、以下のようなものがあります。
* -脱水症状- 体が十分に水分補給されていないと、血液量が減少し、血圧が低下することがあります。
* -貧血- 鉄分やビタミンB12が不足していると、赤血球が十分に作られず、血中の酸素量が低下して血圧が低下します。
* -心臓病- 心臓が十分に血液を送り出せなくなると、血圧が低下します。
* -神経系の異常- 自律神経系がうまく機能しないと、立位時に血管を収縮させることができなくなり、血圧が低下します。
* -薬の副作用- 一部の薬、特に降圧剤は血圧を低下させることがあります。
* -妊娠- 妊娠中は、血漿量が増加し、心臓への負荷が増大するため、血圧が低下することがあります。
* -加齢- 年齢を重ねると、血管が硬くなり、血圧を維持する能力が低下します。
起立性低血圧の症状
起立性低血圧の症状は、主に体の姿勢を変えたときに現れます。最も一般的な症状は、座った姿勢から立った姿勢になったときに、めまい、ふらつき、目の前が暗くなるなどです。他にも、立ちくらみや失神、疲労感、倦怠感、頭痛、動悸などが起こる場合があります。また、中には、血管迷走神経性失神と呼ばれる、短時間の意識消失を起こす人もいます。
起立性低血圧の診断
-起立性低血圧の診断-
起立性低血圧の診断は、患者の病歴と身体診察から始まります。医師は、患者の症状、血圧、心拍数などのバイタルサインを調べます。また、神経系の働きや脱水をチェックするために、神経学的検査や血液検査を行うこともあります。
起立試験と呼ばれる検査は、起立性低血圧の診断に役立ちます。この試験では、患者さんに10分ほど横になってから立ち上がってもらい、その間の血圧と心拍数の変化を観察します。一般的な起立性低血圧では、立ち上がったときに血圧が20mmHg以上低下し、心拍数が20回/分以上増加します。
起立性低血圧の診断は、患者さんの病歴、身体診察、起立試験の結果を総合的に判断して行われます。
起立性低血圧の治療
起立性低血圧の治療は、症状の重症度と根本的な原因によって異なります。軽度の場合は、水分を十分に摂取し、塩分を少し増やすなど、ライフスタイルの変更が有効です。中程度の重症度の場合、薬物療法が必要になる可能性があります。これらの薬物は、血管収縮薬または昇圧薬として知られており、血圧を上昇させて症状を改善します。重度の起立性低血圧では、圧迫ストッキングや腹部バインダーの使用など、より侵襲的な介入が必要となる場合があります。根本的な原因が特定されている場合は、その原因に対する治療も行われます。例えば、パーキンソン病が原因であれば、パーキンソン病の治療が優先されます。
起立性低血圧の予防
起立性低血圧の予防には、いくつかの方法があります。まず、水分を十分に摂取することが重要です。脱水になると血圧が低下するため、特に朝や運動の前後には十分な水を飲む必要があります。また、塩分を適度に摂取することも有効です。ただし、過剰な塩分摂取は健康に害を及ぼす可能性があるため、適度に摂取することが大切です。さらに、ゆっくりと立ち上がることで、血圧の急激な低下を避けることができます。また、カフェインやアルコールを控えることも予防に役立ちます。