肺動脈楔入圧とは?左心機能の評価に重要な用語
医療と看護を知りたい
「肺動脈楔入圧」について詳しく教えてください。
医療の研究家
肺動脈楔入圧(PCWP)は、右心房から肺動脈にカテーテルを挿入し、肺動脈をバルーンで塞いだときのカテーテル先端の圧力のことです。
医療と看護を知りたい
PCWPは左心系の機能評価に利用されると聞きました。具体的にはどのような指標になるのですか?
医療の研究家
左心房圧と左室拡張末期圧の指標になります。PCWPが上昇すると左心不全の可能性を示唆し、治療方針の決定に役立ちます。
肺動脈楔入圧とは。
医学用語の「肺動脈楔入圧」とは、カテーテルと呼ばれる細い管を心臓の右心房から肺動脈に挿入し、カテーテルの先端に小さな風船を膨らませて肺動脈の血流を一時的にせき止めたときに、カテーテルの先端にかかる圧力のことです。
この肺動脈楔入圧は、心臓の左心系(左心房と左心室)の圧力の目安となるため、左心系の働きを評価したり、病気を診断したりするために使われます。通常の値は5~13mmHgです。
肺動脈楔入圧の定義と測定法
肺動脈楔入圧(PCWP)とは、左心系の静水圧を反映する圧力のことで、左心機能を評価する上で重要な指標です。測定方法は、肺動脈にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、肺動脈の末梢まで進めて、肺毛細血管圧を測定します。PCWPは、左心房圧、左室充満圧、左室収縮能を反映しており、肺高血圧や心不全などの心疾患の診断や重症度の評価に使用されます。
肺動脈楔入圧と左心機能の関係
肺動脈楔入圧は、左心機能を評価するための重要な指標です。肺動脈の枝が肺の毛細血管網に差し込む位置での圧力を指し、左心房圧を反映します。なぜなら、肺の毛細血管は左心房に血液を送り出すからなのです。
したがって、肺動脈楔入圧が高い場合は、左心房圧の上昇、つまり左心不全の兆候を示します。これに対し、肺動脈楔入圧が低い場合は、左心房圧の低下、つまり脱水や出血などの循環血液量の減少を示します。このように、肺動脈楔入圧を測定することで、左心機能の評価だけでなく、体液量のモニタリングなど、全身状態に関する重要な情報を得ることができます。
肺動脈楔入圧を用いた左心系機能評価
肺動脈楔入圧(PCWP)とは、肺動脈の末梢、つまり肺血管床の近くの圧力を測定する指標です。PCWPは、肺静脈から左心房へ血流を戻す肺静脈楔の圧力に等しい値とされており、左心系機能の評価に重要な役割を果たします。
PCWPは、左心腔内の圧力と血液の量を間接的に反映しています。PCWPが高い場合、左心系に過度の負荷がかかっている可能性があり、これにより肺水腫などの症状を引き起こす可能性があります。逆に、PCWPが低い場合、左心系機能が低下している可能性を示しており、心不全などの病態に関連している可能性があります。
肺動脈楔入圧の基準値と異常値の意義
肺動脈楔入圧(PCWP)の基準値は、健康な人で5~12 mmHgです。PCWPが基準値より高いことは、左心機能低下を示しています。これは、左心室が血液を十分に送り出せず、肺血管に血液がうっ滞していることを意味します。逆に、PCWPが基準値より低いことは、左心機能が亢進している可能性があります。ただし、心拍出量が低下している場合にもPCWPは低くなるので、他の検査結果との総合的な判断が必要です。
肺動脈楔入圧検査の臨床的意義
肺動脈楔入圧検査の臨床的意義は数多くあります。第一に、左心不全の重症度を評価するのに役立ちます。肺動脈楔入圧が高いほど、左心不全が重症であることを示します。第二に、この検査は肺動脈高血圧の診断に役立ちます。肺動脈楔入圧が上昇している場合は、肺動脈高血圧の可能性があります。第三に、肺動脈楔入圧検査は治療効果のモニタリングに使用できます。例えば、利尿剤や血管拡張剤などの治療薬が左心機能を改善しているかどうかを評価するために使用できます。