スターリングの心臓の法則とは?心拍出量と心室収縮の関係
医療と看護を知りたい
『スターリングの心臓の法則』について教えてください。
医療の研究家
スターリングの心臓の法則は、心臓のポンプ機能が、心室が伸びれば伸びるほど強くなるという法則です。
医療と看護を知りたい
つまり、心筋がより伸展されると、より多くの血液が送り出されるということですか?
医療の研究家
その通りです。心室がより伸びることで、心筋により多くの力が加わり、より強く収縮することができるのです。
スターリングの心臓の法則とは。
「スタ−リングの心臓法則」と呼ばれる、医学用語があります。これは、イギリスの生理学者アーネスト・ヘンリー・スタ−リングと彼の共同研究者オットー・フランクによって提唱されたもので、心拍出量と心臓の収縮の関係を説明する法則です。この法則によると、心臓の筋肉が伸びるほど、心臓の血液を送り出すポンプとしての能力は高まります。
スターリングの心臓の法則とは
-スターリングの心臓の法則とは-
スターリングの心臓の法則とは、心拍出量(1分間に心臓から拍出される血液量)が心室の終末拡張容積(心臓が収縮する前の心室内の血液量)に比例することを示す法則です。この法則は、健康な心臓では、心室がより多く拡張されると、より多くの血液を拍出できることを意味しています。
法則の発見と提唱者
スターリングの心臓の法則の発見と提唱には興味深い歴史があります。この法則は、1895年にイギリスの生理学者、エドワード・スターリングによって発表されました。スターリングは、実験的に心室の収縮力に対する心室容積の影響を調べました。その結果、心室が大きく拡張された(心室容積が増加した)場合、心拍出量が大きくなることを発見しました。
心臓のポンプ機能とスターリングの法則
-心臓のポンプ機能とスターリングの法則-
心臓の重要な機能の1つはポンプとして血液を送り出すことです。このポンプ機能は、スターリングの法則という生理学の原理によって説明できます。スターリングの法則は、心室の収縮力と心拍出量の関係性を示しています。
心拍出量とは1分間に心臓から送り出される血液の量のことです。この心拍出量は、心臓の収縮力に比例します。つまり、心室がより強く収縮すれば、より多くの血液を送り出すことができます。この収縮力は、心筋の長さを指標として測定できます。心筋がより長く伸びると収縮力が強くなり、より多くの血液が送り出されます。
心筋の伸長と心拍出量の関係
心筋の伸長と心拍出量の関係は、スターリングの法則の重要な側面です。心筋が収縮する前段階において、より多く伸長させられると、収縮後により強力に収縮し、より多くの血液を送り出すことができます。この現象は、「フランク・スターリングの法則」として知られています。
伸長が増加すると、心筋の収縮性が高まり、心拍出量が上昇します。これは、より多くの血流が心臓に入ることで、心臓がより強く収縮できるためです。逆に、伸長が減少すると、心拍出量は低下します。
心臓は、心室の伸長率をフィードバック機構によって継続的に監視しています。伸長が低下すると、心拍出量を維持するために心拍数が上昇します。しかし、伸長を過度に増加させると、心筋が損傷を受ける可能性があります。
臨床におけるスターリングの法則の応用
臨床においてスターリングの法則は、心不全の評価に役立てられています。心不全では心室収縮能が低下するため、心拍出量は低下します。しかし、スターリングの法則によると、心室拡張期圧が上昇すると、対応して心拍出量も増加します。この原理を利用して、心不全患者の心拍出量を、昇圧薬や利尿薬などを使用して心室拡張期圧を上昇させることで改善することがあります。また、スターリングの法則は、人工心肺装置の管理にも応用されています。人工心肺装置では心拍出量は可変するため、心室拡張期圧をモニターすることで、適切な心拍出量に調整することができます。