医療の循環器用語『組織接着剤』
医療と看護を知りたい
『組織接着剤』について教えてください。
医療の研究家
組織接着剤は、組織や臓器の接着や被膜に使用されます。血液や空気の漏れを防ぐ効果があります。
医療と看護を知りたい
どのような場所で使用されますか?
医療の研究家
出血や気漏のコントロールが難しい場合や、縫合できない場所などに使用されます。
組織接着剤とは。
-組織接着剤-
医療用語の「組織接着剤」は、組織や臓器の縫合部位や切断面を接着または被覆することで、血液や空気の漏れを防ぐ薬剤です。フィブリン糊とも呼ばれます。
-成分-
組織接着剤は、血液凝固に関わる体内物質であるトロンビンとフィブリノゲンを利用しています。トロンビンがフィブリノゲンに作用するとフィブリンが生成され、重合してフィブリン膜を形成します。この膜が出血や空気漏れの箇所を覆うことで、漏れを軽減します。
-使用例-
組織接着剤は、以下のような場合に特に必要とされます。
* 縫合や接着だけでは出血や空気漏れの制御が難しい場合
* 出血部位が縫合に適さない場合(縫合できない部位、縫合による別のリスクがある場合など)
-種類-
組織接着剤には、液状とシート状の2種類があります。
* -液状組織接着剤:-
* 接着部位にスプレーして使用します。
* フィブリノゲン溶液とトロンビン溶液が別々の容器に入っています。スプレーするとフィブリン膜が形成され、組織を接着します。
* -シート状組織接着剤:-
* 接着部位に貼り付けて使用します。
* シートの素材はコラーゲンです。フィブリノゲンとトロンビンが付着している面を組織に貼り付けると、組織の水分が加わりフィブリン膜が形成され、組織を接着します。
-メリットとデメリット-
液状とシート状の組織接着剤では、メリットとデメリットが異なります。それぞれの特徴を把握して適切に使用することが重要です。
* -液状組織接着剤-
* -メリット:-
* 切断面の深部まで液が浸透しやすい。
* デコボコした部分にも使用できる。
* フィブリン膜が迅速に形成される。
* 出血箇所や空気漏れ箇所を複数同時に塞ぐことができる。
* -デメリット:-
* 固まる前に触ると切断面が開いてしまうことがある。
* 傾斜がある面にスプレーすると、一部の成分が流れ落ちてしまうことがある。
* 動脈からの出血を止血するほどの接着力はない。
* 硬化した糊が血管を圧迫して血管狭窄を引き起こすことがある(特に新生児心臓手術など)。
* -シート状組織接着剤-
* -メリット:-
* 手で押さえることで圧力をかけ、止血できる。
* 液状ではないため、切断場所以外に流れ出ない。
* 伸縮性や柔軟性が高く、臓器の伸縮に対応できる。
* 操作が容易。
* -デメリット:-
* 接着効果や止血効果を高めるには、3~5分間シートを押さえておく必要がある。
* 出血や空気漏れが複数の部位で発生している場合に対応するのが難しい。
* シートが器具や手袋にくっつくことがある。
* 深い部位や狭い部位では使用が難しい。
組織接着剤とは?
医療の循環器用語である「組織接着剤」とは、血流を遮断せずに組織同士を接着するために使用される医療材料の総称です。外科処置において、従来の縫合やステープラーによる方法に代わる新しい選択肢として注目されています。
組織接着剤の成分
–組織接着剤の成分–
組織接着剤は、さまざまな素材で構成されており、目的や用途によって異なります。一般的な成分には、以下のものがあります。
* -シクロヘキサノン- 無機溶媒であり、組織を接着する機能を有します。
* -アクリル酸エステル- ポリマーとなり、結合を形成します。
* -ポリウレタン- 弾力性と強度を提供する、柔軟な接着剤です。
* -フィブリン接着剤- 血漿から抽出したタンパク質で、自然な細胞接着を促進します。
* -ヒアルロン酸- 組織の水分を保持し、滑りを良くします。
これらの成分を組み合わせることで、さまざまな特性を持つ組織接着剤が作成できます。例えば、低粘度の接着剤は内視鏡手術に適しており、高粘度の接着剤は複雑な切開部の閉鎖に使用できます。
組織接着剤が必要となるケース
組織接着剤が必要となるケース
組織接着剤は、損傷した組織を修復するために不可欠な画期的な医療用物質です。以下はその使用が必要な一般的なケースを挙げます。
* -外傷や手術後の傷の閉鎖-組織を迅速かつ効果的に接続し、創傷の治癒を促進します。
* -組織移植-移植された臓器や組織を、元の場所や他の部位に固定します。
* -消化管穿孔の処置-胃や腸の穿孔を塞ぎ、漏れを防ぎます。
* -血管乖離の修復-血管の壁を修復し、出血を制御します。
* -神経損傷の修復-切断された神経を再接続し、機能を回復します。
組織接着剤の種類
-組織接着剤の種類-
医療の循環器用語である「組織接着剤」は、出血の止血や傷の癒合を促進するために使用される医療用接着材です。組織接着剤にはさまざまな種類があり、それぞれが固有の性質を持っています。
-フィブリン接着剤-
フィブリン接着剤は、血漿から作られた天然のタンパク質で、傷口の治癒過程で血栓を形成します。生体適合性に優れており、組織への悪影響がほとんどありません。
-シアノアクリレート接着剤-
シアノアクリレート接着剤は、アクリル酸エステルの一種で、急速に硬化します。強力な接着力がありますが、生体適合性が低く、組織への刺激を引き起こす可能性があります。
-ポリウレタン接着剤-
ポリウレタン接着剤は、ポリウレタン樹脂から作られた柔軟性のある接着材です。組織への適合性が高く、長期的安定性にも優れています。
-ポリグリコール酸接着剤-
ポリグリコール酸接着剤は、生分解性のあるポリマーから作られています。時間の経過とともに分解され、組織の自然治癒を促進します。
組織接着剤の種類の選択は、傷口のタイプ、患者の状態、手術の目的など、さまざまな要因によって異なります。適切な組織接着剤を選択することで、効果的な止血と傷の治癒を促進できます。
液状組織接着剤とシート状組織接着剤のメリットとデメリット
医療の循環器用語である「組織接着剤」には、主に液状のものとシート状のものがあります。それぞれにメリットとデメリットがあります。
液状組織接着剤は、液体状で手術箇所にかけるもので、患部を密着させて組織の癒着を促進します。メリットは、手術時間が短く済み、操作が容易であることです。一方、デメリットとしては、接着力が弱く、術後の癒着不良が起こりやすいことが挙げられます。
シート状組織接着剤は、シート状の材料で傷口を覆うものです。メリットは、接着力が強く、術後の癒着不良が起こりにくいことです。また、他の組織との適合性が高いので、身体内で安定しています。一方、デメリットとしては、手術時間が長くなり、操作が難しい点が挙げられます。