全末梢血管抵抗の基礎知識
医療と看護を知りたい
「全末梢血管抵抗」とは具体的にどういうものですか?
医療の研究家
血液の流れに対する血管内の抵抗のことだよ。末梢血管抵抗、体血管抵抗とも呼ばれる。
医療と看護を知りたい
なるほど、血液が流れるのを妨げるものなんですね。
医療の研究家
その通り。血圧や心臓の働きに影響する重要な指標なんだ。
全末梢血管抵抗とは。
医療分野の循環器系に関する用語として「末梢血管抵抗」があります。末梢血管抵抗(systemic vascular resistance;SVR)とは、血管内の血液の流れる際に受ける抵抗のことです。別名として末梢血管抵抗や体血管抵抗があります。
全末梢血管抵抗の概要
全末梢血管抵抗の基礎理解において不可欠なのが、全末梢血管抵抗の概要です。これは、全身の血管における血液の流れやすさを表す指標で、血管の収縮や拡張によって変化します。血管が収縮すると抵抗が増し、逆に拡張すると抵抗が減少します。全末梢血管抵抗は、心臓から送出された血液の量と、それに対する血管の抵抗のバランスによって決まります。
末梢血管抵抗と全末梢血管抵抗
全末梢血管抵抗は、体のすべての血管における血液の流れに対する抵抗の合計です。これは、末梢血管、つまり動脈、細動脈、毛細血管、静脈の抵抗によって決まります。末梢血管抵抗が高いと、心拍出量が減少するため血圧が上昇します。
末梢血管抵抗は、血管の半径と長さによって決まります。血管の半径が小さくなったり、長くなったりすると、末梢血管抵抗が増加します。また、血管壁の緊張度も末梢血管抵抗に影響します。緊張度が高いほど、血管が狭窄し、抵抗が増加します。
SVRを測定する方法
全末梢血管抵抗(SVR)の測定には、動脈カテーテルを用いる方法があります。この方法は、動脈の血圧と流量を直接測定してSVRを計算します。動脈カテーテルは、動脈に挿入され、センサーを介して血圧と流量のデータを収集します。
SVR測定に使用されるもう1つの方法は、非侵襲的方法です。この方法は、手首や足首などの末梢の動脈で血圧を測定します。非侵襲的方法は、動脈カテーテル法ほど侵襲的ではありませんが、精度が若干低くなります。
SVRが高い場合の影響
SVRが高い場合の影響
抹消血管が収縮して末梢血管抵抗が高い状態(高いSVR)では、いくつかの重要な影響が現れます。まず、全身の血流が減少します。これは、心臓から末梢の組織や器官への血液供給が制限されることを意味します。その結果、臓器は酸素と栄養素の供給が不足し、適切に機能できなくなります。さらに、高いSVRは、心拍出量(心臓から送り出される血液量)が低下することも引き起こします。これは、心臓が縮小する際に血管の抵抗が増加するためです。心拍出量が低下すると、全身の組織や器官への血液供給がさらに制限され、さらに悪循環が起こります。
SVRを下げる方法
SVRを下げる方法
全末梢血管抵抗(SVR)を下げることで、全身の血流が改善され、臓器の灌流や血圧の低下に役立ちます。SVRを低下させる方法には、以下のようなものがあります。
* -血管拡張薬-血管を拡張する薬物であり、ニトログリセリンやヒドララジンなどが含まれます。
* -β遮断薬-心拍数を低下させる薬物で、血圧を下げることができます。
* -利尿薬-尿量を増やし、体液過剰を改善する薬物で、血圧を下げることができます。
* -血管形成術-動脈の狭窄や閉塞を改善する外科的手術で、血流を改善します。
* -運動療法-定期的に運動を行うことで、血管を強化し、SVRを低下させることができます。