血栓とは? – 医療用語の基礎知識
医療と看護を知りたい
先生、『血栓』ってどういう意味ですか?
医療の研究家
血栓というのは、血液が固まってできた塊のことを指すよ。
医療と看護を知りたい
固まってしまった血液のことなんですね。
医療の研究家
そうだね。血管の中で血液の流れが滞ると、血小板が集まって血栓ができることがあるんだ。
血栓とは。
医療用語で「血栓」とは、血の塊を指します。
血栓とは何か
血栓とは、血管の中で形成される血の塊のことです。通常、血管壁に損傷が生じると、血小板が活性化されて血栓を形成し、出血を止血します。しかし、異常な血流や特定の疾患により、血栓が形成されるべきでない血管内でも血栓が生じることがあります。この異常な血栓が血管を塞ぐと、脳梗塞、心臓発作、肺塞栓症といった重大な合併症を引き起こす可能性があります。
血栓の種類
血栓の種類
血栓は、その発生場所や原因に応じて、さまざまな種類に分類されます。最も一般的な血栓には、動脈血栓と静脈血栓があります。動脈血栓は、動脈内で血液の塊が形成されるもので、心筋梗塞や脳卒中の原因となります。一方、静脈血栓は、静脈内で形成され、肺塞栓症などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。さらに、微小血栓と呼ばれる小さな血栓は、微小循環障害を引き起こし、臓器や組織の損傷につながる可能性があります。
血栓の原因
-血栓の原因-
血栓の発生は、主に3つの要素が絡み合って起こります。 動脈硬化、血液の異常、血流の停滞です。
動脈硬化とは、血管の内壁にプラークと呼ばれる脂肪などの物質が蓄積して血管が硬くなる状態です。プラークは血管を狭くし、血流を阻害します。血液の流れが滞ると、血液成分が凝固しやすくなり、血栓が発生しやすくなります。
血液の異常も血栓の原因となります。凝固因子が過剰だったり、抗凝固因子が不足していたりすることで、血液が凝固しやすくなります。また、赤血球や血小板の異常も血流を妨げ、血栓形成につながります。
最後に、血流の停滞も血栓の原因となります。長時間同じ姿勢で座ったり、寝たきりだったりすると、血液が滞り、凝固しやすくなります。また、心臓や血管の病気により血流が低下することも、血栓発生のリスクを高めます。
血栓の症状
-血栓の症状-
血栓が生じると、通常は血流が妨げられます。これにより、影響を受けた部位にさまざまな症状が現れる場合があります。血栓ができた部位によって、症状は異なります。
たとえば、動脈に血栓が生じると、その下の組織への血流が遮断されます。これにより、痛み、しびれ、虚血(血流不足による組織の損傷)を引き起こす可能性があります。また、静脈に血栓が生じると、血液が心臓に戻ることができず、痛み、腫れ、変色などの症状が現れます。
肺に血栓が生じた場合、肺塞栓症と呼ばれる生命を脅かす可能性のある状態が生じます。これにより、息切れ、胸痛、失神などの症状が現れます。また、脳に血栓が生じた場合、脳卒中と呼ばれる状態が生じます。これにより、片側のまひ、言語障害、意識障害などの症状が現れます。
血栓の治療
-血栓の治療-
血栓が形成されると、血行を遮断し、組織に酸素や栄養素が届かなくなります。これが、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な健康問題につながる可能性があります。血栓の治療は、血栓の溶解や予防に焦点を当てています。
治療の選択肢としては、抗血栓薬(血栓の形成を防ぐ薬)や血栓溶解薬(すでに形成された血栓を溶解する薬)があります。抗血栓薬には、アスピリンやワルファリンが含まれます。血栓溶解薬には、ストレプトキナーゼやアルテプラーゼが含まれます。
また、手術が血栓の治療に使用される場合があります。血栓が動脈を塞いでいる場合は、カテーテルを使用して血栓を除去したり、ステントと呼ばれるデバイスを挿入して動脈を開通させることができます。血栓が静脈を塞いでいる場合は、血栓を取り除くか、弁を修復する手術が必要になる場合があります。