【解説】WPW症候群とは？
医療と看護を知りたい
WPW症候群について教えてください。
医療の研究家
WPW症候群とは、先天的に心房と心室の間に正常とは異なる副伝導路がある状態です。
医療と看護を知りたい
副伝導路とは何ですか？
医療の研究家
副伝導路は、正常の刺激伝導路とは別に存在するもので、心房と心室の間に電気信号を伝達する役割があります。
WPW症候群とは。
「心臓の病気に関する専門用語を『WPW症候群』といいます。これは、生まれつき心臓の上下にある心房と心室の間に、本来の刺激の経路とは別に、もう1つの経路が存在する病気です。」
WPW症候群とは?
WPW症候群（Wolf-Parkinson-White症候群）とは、心臓にまれに見られる先天性の異常です。心臓の房室結節（AV結節）に加えて、心臓の別の場所にも電気信号を伝達する余分な経路（副伝導路）が存在することが特徴です。この余分な経路を通って電気信号が流れると、心臓の収縮が早まったり、不規則になったりすることがあります。その結果、動悸、胸痛、失神などの症状を引き起こします。
WPW症候群の原因
【解説】WPW症候群とは？
-WPW症候群の原因-
WPW症候群は、心臓の電気回路に異常が生じる先天的な疾患です。これは、心臓の房室結節（AVノード）を迂回し、心房と心室を直接つなぐ余分な電気経路（ケント束）の存在が原因です。この経路を介して電気信号が流れると、心臓の拍動が速すぎたり不規則になったりする場合があります。
WPW症候群の症状
WPW症候群の症状は、多くの人ではほとんど現れません。しかし、一部の人では、以下のような症状がみられることがあります。
* -動悸（ドキドキ）-脈が速く、不規則に感じられる。
* -胸痛-胸の痛みや締め付け感。
* -失神-脈が非常に遅くなったり止まったりして、脳に十分な血液が供給されなくなる。
* -呼吸困難-脈が速すぎて心臓がうまく機能できないため、息苦しさを感じる。
* -倦怠感-脈が速すぎて心臓が十分に休めないため、疲れやすい。
WPW症候群の診断
-WPW症候群の診断-
WPW症候群の診断は、病歴、心電図、追加検査によって行われます。
病歴では、動悸、失神、胸部圧迫感などの症状について質問されます。また、心臓疾患や家族歴の有無も確認されます。
心電図では、WPW症候群に特徴的な異常波形である「デルタ波」の有無を調べます。デルタ波は、心房と心室のあいだの付加経路を介して興奮が伝導される際に生じます。
追加検査として、電気生理学的検査や心臓カテーテル検査が行われることがあります。電気生理学的検査は、心房細動などの不整脈誘発を目的として行われ、心臓カテーテル検査は付加経路の正確な位置を特定するために使用されます。
WPW症候群の治療
WPW症候群の治療は、症状の有無や発作の頻度など、個々の患者さんの状態によって異なります。無症状の場合や、まれに発作が起こる場合は、治療の必要はありません。
しかし、発作が頻繁に起こったり、重篤な不整脈が認められる場合は、治療が必要になります。治療法には以下のものがあります。
* -薬物療法- 抗不整脈薬を投与して不整脈の発作を予防します。
* -カテーテルアブレーション- 心臓内の異常な経路を焼灼して、不整脈の発生をブロックします。