B細胞とは?リンパ球の一種で免疫を担う

B細胞とは?リンパ球の一種で免疫を担う

医療と看護を知りたい

先生、『B細胞』ってなんですか?

医療の研究家

B細胞は免疫機能に関わるリンパ球の一種です。リンパ球の20~40%を占めます。

医療と看護を知りたい

どこでつくられるんですか?

医療の研究家

骨髄で産生され、成熟します。その頭文字を取って『B細胞』と呼ばれています。

B細胞とは。

B細胞は、体を守る免疫系に欠かせない細胞の一種です。T細胞と同じくリンパ球に分類され、骨髄でつくられて成熟します。そのため、Bone marrowの頭文字を取って「B細胞」と呼ばれています。

B細胞はリンパ球全体の約20~40パーセントを占めます。分化していく過程で遺伝子を再構成し、さまざまな種類のB細胞に変化します。興味深いことに、1つのB細胞は1種類の抗体しか作れません。しかし、抗体遺伝子の組み合わせを変えることで多様なB細胞に分化し、さまざまな病原体に対応する抗体を出すことができるようになります。

B細胞の役割とリンパ球中の割合

B細胞の役割とリンパ球中の割合

-B細胞の役割とリンパ球中の割合-

B細胞は、免疫システムに関わる重要なリンパ球の一種です。リンパ球は、病原体や異物に対する体の防御システムである免疫反応を担っています。リンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞など、さまざまな種類があります。

B細胞の主な役割は、体液性免疫を介して抗体を産生することです。抗体は、特定の病原体や異物と結合し、それらを無力化し、除去します。B細胞は、病原体が体内に侵入すると活性化され、抗体を産生するプラズマ細胞に分化します。

リンパ球の中では、B細胞の割合は10~30%を占めます。他のリンパ球種であるT細胞は、B細胞よりも多く、リンパ球の約60~80%を占めています。リンパ球の構成は、個人や免疫系の状態によって異なります。

B細胞の生産・分化・成熟の場所

B細胞の生産・分化・成熟の場所

B細胞の生産・分化・成熟の場所

B細胞は、主に骨髄と呼ばれる骨内の柔らかい組織で生産されます。骨髄内の幹細胞から前駆B細胞が産生され、これらの細胞が成熟して免疫グロブリンを合成する機能を獲得します。このプロセスは、骨髄内のストローマ細胞と呼ばれる補助細胞が関与する、複雑な一連の段階で行われます。

成熟したB細胞は骨髄から放出され、末梢リンパ組織と呼ばれるリンパ節や脾臓などの器官に移行します。末梢リンパ組織では、B細胞は抗原に曝され、活性化されて抗体産生細胞に分化します。この抗体産生細胞は、特定の病原体と結合する免疫グロブリンを大量に産生し、感染から体を守るのです。

B細胞の多様な分化と抗体産生

B細胞の多様な分化と抗体産生

B細胞の多様な分化と抗体産生

B細胞は、未熟な段階からさまざまな経路を経て分化します。まず、ナイーブB細胞と呼ばれる成熟していない細胞に発達します。ナイーブB細胞は、特定の抗原にさらされると、活性化B細胞に変換されます。活性化B細胞は、2つの主な分化経路に分かれます。

1つめの経路では、活性化B細胞はメモリーB細胞になります。メモリーB細胞は、特定の抗原を長期的に保持し、将来遭遇したときに迅速に抗体産生することができます。

もう1つめの経路では、活性化B細胞はプラズマ細胞に分化します。プラズマ細胞は、抗体を大量に産生する非常に効率的な抗体産生細胞です。抗体は、特定の抗原を認識・結合して、その除去を促進するタンパク質です。

この多様な分化のおかげで、B細胞はさまざまな抗原に対する免疫応答を調整し、生体を感染から効果的に保護することができます。

B細胞と抗体産生における遺伝子の再構成

B細胞と抗体産生における遺伝子の再構成

B細胞は免疫において重要な役割を果たすリンパ球の一種で、病原体と戦うために抗体と呼ばれるタンパク質を産生することができます。この抗体産生に関わるプロセスで重要なのが、遺伝子の再構成と呼ばれるメカニズムです。

遺伝子の再構成では、いくつかの遺伝子がランダムに再配列されて、抗体遺伝子が形成されます。このランダムな再配列により、無数の種類の抗体が産生され、あらゆる病原体を認識して攻撃することが可能になります。この再構成は、B細胞の増殖と分化の過程でランダムに行われ、B細胞の多様性と抗体応答の効率性を担っています。

多様な病原体に対する抗体の産生

多様な病原体に対する抗体の産生

B細胞は多様な病原体に対する抗体を産生するという重要な役割を担っています。病原体が体内に侵入すると、B細胞はこれらの病原体を認識し、特異的な抗体を産生します。抗体は、病原体の表面にある特定の分子(抗原)に結合し、病原体を無力化します。また、B細胞は抗体の産生だけでなく、免疫記憶細胞としても機能します。免疫記憶細胞は、一度感染した病原体を「覚える」ことで、再感染時に迅速かつ効果的に抗体を産生します。この免疫記憶により、身体が将来同じ病原体に対する免疫性を獲得できるようになります。

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