アレルギー性紫斑病とは？原因・症状・治療法

医療と看護を知りたい

アレルギー性紫斑病ってどんな病気ですか？

医療の研究家

アレルギー性紫斑病は、主に臀部や下肢に紫斑ができる全身性の小血管炎です。関節痛や消化管症状、糸球体腎炎を伴うこともあります。

医療と看護を知りたい

小児に多いんですか？

医療の研究家

はい、小児に多く、特に4～7歳の男児に発症しやすいです。

アレルギー性紫斑病は、アレルギー性疾患の一種で、「紫斑」と呼ばれる皮膚の赤紫色の発疹を特徴とします。主に臀部と脚に発疹が現れ、関節の痛みやしびれ、腹痛や血便などの消化器症状、尿にたんぱく質が出る腎炎などを引き起こすことがあります。

この病気は「ヘノッホ・シェーンライン紫斑病」や「アナフィラクトイド紫斑」とも呼ばれ、小児に多く見られます。患者の大部分は4～7歳ですが、乳幼児や成人も発症することがあります。また、男の子に発症しやすい傾向があります。

アレルギー性紫斑病とは、皮膚や内臓の小さな血管に炎症が起こり、出血を伴う病気です。アレルギー反応によって血管の壁が傷つき、出血が起きると考えられています。主に4～10歳の子どもに多く発症しますが、まれに大人にも発症することがあります。

-アレルギー性紫斑病の原因-

アレルギー性紫斑病の正確な原因は不明ですが、免疫システムの異常が関係していると考えられています。健康な人では、免疫システムは外来の病原体（細菌やウイルスなど）と戦い、体を守ります。しかし、アレルギー性紫斑病では、免疫システムが身体自身の細胞を攻撃し、血管に炎症を起こしてしまいます。

この血管の炎症により、小さな血栓が形成され、血管壁が弱くなります。すると、血液中の赤血球が血管から漏れて周囲の組織に染み出し、紫色の発疹（紫斑）が現れます。アレルギー性紫斑病の紫斑は、下肢や臀部に出ることが多く、時に痛みやかゆみを伴うことがあります。

アレルギー性紫斑病の症状は、主に皮膚に小さな赤紫色の斑点が現れることから特徴づけられます。この斑点は数ミリから数センチ程度の大きさで、押さえても色が変わりません。主に下腿や臀部に多く発生しますが、四肢や体幹にも現れることがあります。

また、関節痛や腹痛、血尿などの症状も見られます。関節痛は膝や足首などの大きな関節に現れやすく、腹痛は激しいものから鈍痛までさまざまで、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。血尿は尿が赤褐色になるもので、肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の2種類があります。

-アレルギー性紫斑病の治療法-

アレルギー性紫斑病の治療は、症状の重症度と病態によって異なります。軽症の場合は、痛みを緩和するために鎮痛剤や炎症を抑えるためにステロイド薬が処方されます。中等症から重症の場合は、免疫抑制剤や血漿交換などのより積極的な治療が必要になることがあります。

免疫抑制剤は、体内の過剰な免疫応答を抑える薬です。血漿交換は、血液から抗体を除去して症状を軽減する方法です。また、出血傾向のある場合は止血剤が処方されることもあります。

治療期間は症状の重症度によって異なりますが、一般的に数日から数週間かかります。治療中は、安静にして、激しい活動や接触スポーツは避けることが重要です。食事に関しては、特定の食物が症状を悪化させる原因となる場合があるため、医師の指示に従うことが必要です。

アレルギー性紫斑病の予後には、年齢、症状の重篤度、治療のタイミングなど、さまざまな要因が影響します。一般的に、早期に診断されて適切な治療を受ければ、ほとんどの患者は良好な予後が期待できます。

経過は個人差がありますが、多くの人は数週間から数か月で症状が緩和します。しかし、一部の患者では、より重篤な合併症や長期的な問題が生じる可能性があります。合併症には、腎臓障害、腸の出血、脳出血などがあり、重篤な場合、生命を脅かす可能性があります。

長期的な影響としては、少数例で腎機能障害がその後も持続する場合があります。また、関節痛や皮膚の変色が残ることもあります。しかし、大多数の患者は、適切な治療と管理により、正常な生活を送ることができます。