小児科の用語『りんご病』の基礎知識

小児科の用語『りんご病』の基礎知識

医療と看護を知りたい

『りんご病』について教えてください。

医療の研究家

『りんご病』は、伝染性紅斑という正式名称を持つ、小児期に起こる伝染性の発疹性疾患です。

医療と看護を知りたい

症状はどんな感じですか?

医療の研究家

感染すると、顔がりんごのように赤くなるのが特徴で、ほっぺたがぽっと赤くなることから『りんご病』と呼ばれています。

りんご病とは。

「りんご病」とは、小児に多くみられる伝染性の発疹性疾患です。正式には「伝染性紅斑」と呼ばれていますが、感染すると顔がりんごのように赤くなることから、日本では「りんご病」と呼ばれています。ヒトパルボウイルスB19が原因で起こり、自然に治癒する予後のよい病気です。

りんご病とは

りんご病とは

小児科の用語「りんご病」は、パルボウイルスB19が引き起こす感染症です。主に5~15歳の子供が発症します。典型的には、発疹と発熱、頬の赤み(「りんご顔」)が見られます。りんご病は通常、軽度の病気ですが、免疫抑制状態にある人や、妊娠中の女性では、より深刻な合併症を起こすことがあります。

りんご病の原因

りんご病の原因

りんご病の原因は、「パロウイルスB19」というウイルスです。このウイルスはウイルス性発疹症を引き起こし、主に5歳から15歳くらいの子どもに感染します。感染経路は飛沫感染で、感染者の咳やくしゃみによってウイルスが空中に放出され、それを吸い込むことで感染します。接触感染の可能性もあります。パロウイルスB19は非常に感染力が強く、感染者の約50~60%が症状を発症するとされています。

りんご病の症状

りんご病の症状

-りんご病の症状-

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、主に小児に発症します。典型的な症状は、以下のような三段階にわたって現れます。

-第一段階(発熱期)-

顔が赤くなる発疹(顔面紅潮)が現れてから1週間程度続き、38~39度の高熱が出るのが特徴です。

-第二段階(発疹期)-

発熱期の後、顔、手足、お尻などにレース模様のような赤い発疹が現れます。痒みはありませんが、次第に手足から顔に向かって広がっていきます。

-第三段階(斑状発疹期)-

発疹が薄くなって、斑状になります。この斑は数週間から数カ月ほど残ることがあります。

りんご病の診断と治療

りんご病の診断と治療

りんご病の診断と治療

りんご病の診断には、一般的に身体検査と血液検査が行われます。身体検査では、特有の赤い発疹を確認します。血液検査では、パルボウイルスB19の抗体を調べます。

治療は、ウイルスに対する特別な治療法はなく、対症療法が中心です。発熱や頭痛に対しては解熱剤や鎮痛剤が処方され、かゆみがある場合は抗ヒスタミン剤が使用されます。また、安静を保ち、十分な水分を補給することが重要です。妊婦や免疫不全者では、重篤な合併症を防ぐため、輸血や免疫グロブリンの投与が必要になる場合があります。

りんご病の予後と合併症

りんご病の予後と合併症

-りんご病の予後と合併症-

一般的に、りんご病の予後は良好です。ほとんどの子供は、発疹が消えてから数週間以内に完全に回復します。ただし、一部の子供では、合併症が発生することがあります

最も一般的な合併症は、髄膜炎です。髄膜炎は、脳と脊髄を覆う組織に炎症が起こる病気です。症状としては、頭痛、発熱、嘔吐、首の痛みなどが挙げられます。まれに、りんご病が引き金となって、脳炎(脳の炎症)を引き起こし、痙攣や意識障害などの重篤な問題を引き起こすこともあります。

妊婦がりんご病にかかった場合、胎児に感染する可能性があります。この場合、胎児に貧血や心不全、流産などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、妊婦はりんご病の患者と接触しないことが重要です。

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