ピロリ菌とは?胃の健康を守るための理解
医療と看護を知りたい
先生、『ピロリ菌』について教えてください。
医療の研究家
『ピロリ菌』は、胃の中で生育できる細菌です。正式名称はヘリコバクター・ピロリと言います。
医療と看護を知りたい
なるほど、胃の中で生育できるんですね。なぜ『ピロリ』という名前なんですか?
医療の研究家
その理由は明確ではありませんが、ギリシャ語で『門』や『入り口』を意味する『pyloros』に由来していると言われています。
ピロリ菌 とは。
医学において「ピロリ菌」と呼ばれる「ヘリコバクター・ピロリ」とは、強い酸性の胃の中でも生きることができる、らせん状のグラム陰性菌です。
ピロリ菌とは
ピロリ菌とは、胃粘膜の細胞にすみつくバクテリアの一種です。ヘリコバクター・ピロリと呼ばれ、胃がんや胃潰瘍など、さまざまな胃の病気の原因として知られています。
ピロリ菌は、口から口への接触や汚染された水や食べ物を通じて感染します。感染すると、ほとんどの場合、生涯胃粘膜にすみ続けます。初めは症状がない場合が多いですが、長期間放置すると、胃炎や潰瘍、さらには胃がんのリスクが高まります。
ピロリ菌が引き起こす疾患
ピロリ菌が引き起こす疾患
ピロリ菌は、胃の長期的な炎症を引き起こす可能性があり、重大な病気につながる場合があります。最も一般的なピロリ菌関連の疾患は、萎縮性胃炎で、胃の粘膜が薄くなり、腺細胞が破壊されます。萎縮性胃炎は、胃がんのリスクを増加させます。
その他のピロリ菌関連の疾患としては、胃潰瘍と十二指腸潰瘍があります。ピロリ菌は胃酸の分泌を増加させ、胃や十二指腸の粘膜を損傷します。これにより、潰瘍が発生して、出血、痛み、消化不良を引き起こす可能性があります。
さらに、ピロリ菌は胃がんのリスクを大幅に増加させます。ピロリ菌は、硝酸塩を亜硝酸塩に変換し、亜硝酸塩は発がん性物質です。この発がん性物質は胃細胞のDNAを損傷し、がんにつながる可能性があります。
ピロリ菌検査
ピロリ菌検査は、胃内にピロリ菌がいるかどうかを調べる検査です。ピロリ菌感染の有無を確認することで、胃潰瘍や胃がんのリスクを評価することができます。胃がんは、日本人をはじめとする先進諸国で最も多いがんです。ピロリ菌検査には、内視鏡を使用した内視鏡検査、便や血液を用いた非侵襲的検査など、さまざまな方法があります。医師は、個々の患者さんの状況や症状に応じて、適切な検査方法を決定します。
ピロリ菌の治療法
-ピロリ菌の治療法-
ピロリ菌感染症の治療には、抗菌薬を組み合わせた薬物療法が必要です。一般的に、2種類の抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)を1週間服用します。治療が成功すると、胃酸を抑える薬をさらに4週間服用する必要がある場合があります。薬物療法の有効性は高く、ほとんどの患者でピロリ菌の除菌に成功しています。
ただし、一部の患者では治療に抵抗性のあるピロリ菌がいる可能性があります。そのような場合には、異なる種類の抗菌薬を使用したり、より長い治療期間が必要になる場合があります。医師は治療の選択肢について患者と相談し、最適な方法を決定します。
治療後、数週間後にピロリ菌除菌の検査が行われます。検査は呼気検査や便検査などで、ピロリ菌が完全に除菌されたかどうかを確認します。もし除菌されていなければ、追加の治療が必要になる場合があります。
ピロリ菌予防
ピロリ菌予防は、胃の健康を守るために重要な対策です。ピロリ菌の感染は主に、汚染された水や食べ物を通して起こります。このため、衛生的な習慣を徹底することで予防できます。具体的には、手をよく洗い、生水は飲まず、食品は十分に加熱することが重要です。また、集合住宅や介護施設など、多くの人が利用する場所では、共有スペースの清掃や消毒を徹底しましょう。さらに、旅行時には、現地の衛生状態に注意し、自己防衛策を講じることが大切です。これらの予防策を講じることで、ピロリ菌感染のリスクを軽減し、胃の健康を守ることができます。