医療の感染用語→ 抗原検査

医療の感染用語→ 抗原検査

医療と看護を知りたい

『抗原検査』について教えてください。

医療の研究家

抗原検査とは、免疫応答を引き起こす物質である抗原を検出する検査のことだよ。

医療と看護を知りたい

免疫応答ってどういう意味ですか?

医療の研究家

免疫応答とは、病原体が体内に侵入したときに、体内で防御反応が起こることで、抗体や免疫細胞が作られて病原体を排除したり、排除しやすくしたりする仕組みのことだよ。

抗原検査とは。

医療における感染症に関する検査用語に「抗原検査」があります。抗原検査とは、人体が病原体に対抗して作り出す物質(抗原)を検出して感染の有無を調べる検査のことです。

抗原検査とは?

抗原検査とは?

抗原検査とは?

抗原検査は、ウイルスの表面タンパク質である抗原を検出する検査です。抗原とは、免疫細胞が認識して攻撃する物質のことです。抗原検査では、鼻やのどの粘液などからサンプルを採取し、抗原の存在を確認します。この検査方法は迅速で、通常は15分以内に結果が得られます。

抗原検査の種類と方法

抗原検査の種類と方法

抗原検査の種類と方法について説明します。抗原検査には主に2種類あります。

-1. ラテラルフロー法-

ラテラルフロー法は、最も一般的な抗原検査の方法です。この検査では、鼻腔または咽頭ぬぐい液のサンプルをテストストリップ上に塗布します。ストリップには、ウイルス抗原と結合する抗体を含んだ線が数本あります。抗原が存在する場合、これらは線に沿って移動し、目に見える帯を形成します。

-2. ELISA法-

ELISA法(酵素結合免疫吸着測定法)は、より複雑な抗原検査の方法です。この検査では、抗ウイルス抗体でコーティングされたマイクロプレートを使用します。サンプルをプレートに加えると、抗原は抗体と結合します。次に、抗原と結合した抗体に酵素を加えて、色の変化を測定します。この色の変化は、サンプル中の抗原の量に比例しています。

抗原検査の長所と短所

抗原検査の長所と短所

-抗原検査の長所と短所-

抗原検査は、感染初期にウイルス抗原を検出する検査です。長所は、迅速かつ容易に実施できることです。また、無症状の感染者も検出できるという特徴があります。

一方、短所もあります。抗原検査は、PCR検査に比べて感度が低く、結果が偽陰性になる可能性があります。また、検査を実施するタイミングによって、感度が低下する場合があります。例えば、感染初期には感度が高いものの、感染後期になると感度が低下する傾向にあります。そのため、抗原検査はスクリーニング検査として使用されることが多く、陽性の場合にはPCR検査等で確認を行う必要があります。

抗原検査の限界

抗原検査の限界

抗原検査の限界は認識しておく必要があります。抗原検査は一般的にスクリーニングツールとして使用され、正確性に限界があります。つまり、感染初期では陰性結果が出る場合があり、ウイルス濃度が低いと検出できないことがあります。さらに、抗原検査の結果は、個人差や検査手法の違いによって異なる可能性があります。

そのため、抗原検査の陰性結果が必ずしも感染していないことを意味するわけではありません。症状がある場合は、たとえ抗原検査が陰性であっても、PCR検査などのより感度の高い検査を受けることが推奨されます。また、抗原検査の陽性結果は、必ずしも感染していることを証明するものではないことに注意する必要があります。偽陽性(実際には感染していないのに陽性と判定される)の可能性があり、特にウイルスが広く流行している時期には考慮する必要があります。

抗原検査の活用法

抗原検査の活用法

抗原検査の活用法

抗原検査は、ウイルスや細菌が体内に侵入したときに産生される抗原を直接検出する検査方法です。そのため、感染の早期発見が可能です。この特徴を活かし、さまざまな場面で抗原検査が活用されています。

まず、感染症の迅速な診断が挙げられます。抗原検査は、鼻や喉から採取した検体を使用して行われ、短時間で結果が得られるため、感染患者の早期発見や隔離に役立ちます。これは、流行病の拡大防止や感染症まん延の抑制に貢献します。

また、抗原検査は、感染者のスクリーニングにも使用できます。大規模なイベントや集団検査において、感染者を早期に特定することで、感染拡大を未然に防ぐことができます。さらには、抗原検査は、抗菌薬の適正使用のガイドラインとして活用できます。抗原検査によって感染の原因が特定されると、適切な抗菌薬を選択することが可能になり、耐性菌の発生抑制に効果的です。

この他にも、抗原検査は、感染症のモニタリングや管理、感染予防策の導入、入院患者のスクリーニングなど、幅広い場面で活用されています。その高い感度と迅速性により、感染症の早期発見と制御に欠かせないツールとなっています。

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