医療の感染用語『ワ氏』とは？

医療の感染用語『ワ氏』とは？

『ワ氏』の由来

の「『ワ氏』の由来」では、この感染用語がどのようにして生まれたのかが語られています。「ワ氏」は、ピーター・ワトソン博士にちなんで名付けられました。ワトソン博士は、1976年に英国の病院で入院中に 未確認の感染症にかかりました。この感染症は、後に「ワ氏の感染症」として知られるようになります。

ワッセルマン反応について

ワッセルマン反応とは、かつて梅毒の診断に使用されていた血液検査です。1906年にアウグスト・ワッセルマン博士によって開発され、「ワ氏」の名で知られるようになりました。この検査では、梅毒トレポネーマという細菌に対する患者の血液中の抗体量を測定します。

ワッセルマン反応は、長い間梅毒の診断の基盤でしたが、その後より敏感で特異性の高い検査法が開発されました。そのため、ワッセルマン反応は現在ではほとんど使用されていません。現在は、梅毒の診断にはTPPA (トレポネーマ・パリダム凝集試験) やFTA-ABS (蛍光トレポネーマ抗体吸収試験) などのより信頼性の高い検査法が用いられています。

梅毒の感染検出方法

-梅毒の感染検出方法-

梅毒は、トレポネーマ・パリダムと呼ばれる細菌によって引き起こされる性感染症です。この感染症を検出するには、-梅毒血清学的検査-と呼ばれる血液検査が用いられます。

この検査では、血液中の梅毒抗体が測定されます。抗体は、免疫系が感染に対抗するために産生するタンパク質です。梅毒感染があると、抗体が血液中に現れます。

梅毒血清学的検査には、非トレポネーマ抗体検査（VDRL検査、RPR検査など）とトレポネーマ抗体検査（TPHA検査、FTA-ABS検査など）の2種類があります。非トレポネーマ抗体検査は簡便で費用が安いため、スクリーニング検査として用いられます。ただし、非トレポネーマ抗体は梅毒以外の感染症でも出現することがあります。そのため、陽性の場合はトレポネーマ抗体検査で確認することが必要です。

トレポネーマ抗体検査は、梅毒感染の確定診断に用いられます。トレポネーマ抗体は、梅毒特有の抗体で、梅毒以外の感染症では出現しません。したがって、トレポネーマ抗体検査が陽性であれば、梅毒感染が確定します。

ワ氏陽性と陰性の意味

-ワ氏陽性と陰性の意味-

医療用語の「ワ氏」は、感染症の有無を表す検査に使用されます。検査の結果、ワ氏陽性と判定された場合、感染症に感染している可能性があります。一方、ワ氏陰性と判定された場合は、感染症に感染していないか、感染の初期段階で検査では検出できない可能性があります。ワ氏反応は感染症の有無を判定するための一次スクリーニング検査としてよく使用され、その後、さらに正確な検査が必要になる場合があります。

ワ氏という用語の現在

ワ氏という用語の現在では、用語自体の変化について言及しています。かつては一般用語として広く使われていましたが、現在は専門家の間でのみ使用されています。これは、感染症の予防と管理に関する意識の高まりと、感染を正しく表現することの重要性に対する理解が深まったことが背景にあります。つまり、一般の人々は、ワ氏という用語よりも、より正確でニュートラルな表現を使用することが推奨されています。