耳下腺とは?その構造と機能

耳下腺とは?その構造と機能

医療と看護を知りたい

『耳下腺』についてもう少し詳しく教えてください。

医療の研究家

『耳下腺』は唾液を出す腺で、最も大きいものです。三角形で、あごの後ろと耳の下にあります。

医療と看護を知りたい

唾液を出す管があるのはわかりますが、どこから出るのですか?

医療の研究家

『耳下腺管』という管が耳下腺から出てきて、ほほの筋肉の上を通って、上の奥歯あたりで口の中に開いています。

耳下腺とは。

医学用語で「耳下腺」と呼ばれるのは、大唾液腺と呼ばれる唾液腺の一種で、その中でも最大のものです(図1)。耳下腺はほぼ三角形の形状をしていて、下顎骨(あごの骨)の後ろに接し、外耳道の前下側に位置しています。耳下腺からは「耳下腺管」と呼ばれる管が伸び、咬筋(物を噛む筋肉)の上を通り、上顎第二大臼歯(奥歯)の高さで口腔内に開口しています。

耳下腺の構造

耳下腺の構造

-耳下腺の構造-

耳下腺は、唾液腺の一種で、耳のすぐ下、下顎骨の角の付近にあります。 その構造は複雑で、多くの小葉に分かれており、各小葉は腺管でつながっています。腺管は徐々に合流してついに主導管の耳下管になり、これが口の近くに開口し、唾液を放出します。

耳下腺の組織学的構造は、主に腺細胞、間質、血管から構成されています。腺細胞は唾液を分泌する細胞で、小葉内に密集しています。間質は、腺細胞を取り巻く結合組織で、血管、神経、リンパ管が含まれています。

耳下腺の位置

耳下腺の位置

耳下腺の位置は、耳のすぐ下にあり、下顎の骨の近くにあります。この腺は、耳のすぐ下の顔の両側にあります。耳下腺は、咬筋と呼ばれる筋肉に覆われています。咬筋は、食べ物を噛むときに使われる筋肉です。

耳下腺の機能

耳下腺の機能

耳下腺の機能は、唾液の分泌です。唾液は、食物を柔らかくし、飲み込みやすくするだけでなく、口腔内の細菌の増殖を抑える抗菌作用もあります。耳下腺から分泌される唾液は、セロムチンというムチンの一種を多く含んでいます。セロムチンは、唾液に粘り気と潤滑性を与え、口腔内の組織を保護しています。また、耳下腺は、免疫グロブリンA(IgA)という抗体を分泌しています。IgAは、口腔内の病原体の侵入を防ぐ働きを担っています。

耳下腺炎とは

耳下腺炎とは

-耳下腺炎とは-

耳下腺は、耳の下側にある重要な唾液腺の一つですが、この腺が炎症を起こす状態を耳下腺炎と言います。耳下腺炎は、ウイルスや細菌の感染によって引き起こされ、痛みや腫れなどの症状が現れます。最も一般的な原因は、ムンプスウイルスによるもので、この場合はおたふく風邪として知られています。細菌性の耳下腺炎は、化膿性耳下腺炎と呼ばれ、高熱や膿が混じった唾液の排出を伴います。耳下腺炎の治療法は原因によって異なりますが、抗生物質や抗ウイルス薬が使用されることが多いです。適切な治療を受ければ、ほとんどの耳下腺炎は合併症なく回復します。

耳下腺の切除

耳下腺の切除

耳下腺は唾液腺の中で最も大きく、耳下腺切除術では、この腺が完全にまたは部分的に取り除かれます。この手術は、腫瘍やその他の病状のため、耳下腺が機能しなくなったり、感染したりした場合に行われます。耳下腺切除術では、切開して耳下腺を露出させ、周囲の組織に損傷を与えないように注意しながら切除します。術後は、通常、ドレーンを使用して術部にたまった体液を排出します。

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