顎下腺を徹底解説!耳鼻咽喉科の重要用語
医療と看護を知りたい
「顎下腺」とは、どこにある唾液腺ですか?
医療の研究家
顎下腺は、下顎骨の内面、顎下三角にあります。
医療と看護を知りたい
顎下腺管はどこからどこまで伸びていますか?
医療の研究家
顎下腺管は、顎下腺から舌下腺の内面を通り、口腔底にある舌下小丘に開口しています。
顎下腺とは。
耳鼻咽喉科の専門用語「顎下腺」について説明します。
顎下腺は、耳下腺に次ぐ大きさの唾液腺で、3大唾液腺の1つです(図1参照)。浅い頸部筋膜に覆われ、下顎の内側に位置しています。顎下腺から出る管(顎下腺管)は、舌下腺の内側を通って口腔底の舌下小丘に開口します。
顎下腺とは
顎下腺とは、耳の下方にある、唾液を分泌する耳下腺と顎下腺の2大唾液腺の1つです。耳下腺と並んで主要な唾液腺であり、約1.5~2.0mlの唾液を1日に分泌しています。顎下腺は、顎の骨の下方に位置し、その大きさは幅、高さ、奥行きともに約3cm程度です。そのため、比較的小さな唾液腺と言えます。
顎下腺の位置と構造
顎下腺の位置は、下顎骨の内側、舌骨直下に位置しています。浅頸筋膜の浅層と深層に囲まれ、周囲の組織との癒着は比較的弱く、滑動性があります。
顎下腺の構造は、腺葉と導管から成っています。腺葉は耳下腺と同様に、漿液腺性の漿液分泌細胞からなり、クラウデ粒を含むセロトニン産生細胞が混在しています。導管は粘膜分泌細胞を含み、ムチンを含んだ粘液を分泌しています。
顎下腺の役割
顎下腺の役割は、主に唾液の分泌にあります。唾液は、口の中を潤し、食物の消化を助けるだけでなく、抗菌作用や粘膜保護などの役割も担っています。顎下腺から分泌される唾液は、セロムシンと呼ばれる粘液性の成分が多く含まれており、口の中を湿らせて Nahrungsaufnahmeを楽にします。また、ライソチームという抗菌酵素も含まれており、口腔内の細菌の増殖を抑えるのに役立っています。さらに、顎下腺は成長因子を分泌し、口内粘膜の健康維持に貢献しています。
顎下腺炎について
顎下腺が感染して炎症を起こした状態を顎下腺炎と言います。耳下腺や舌下腺の炎症と症状が似ていますが、最も多い症状は顎下部の痛みと腫れです。また、発熱、寒気、倦怠感などを伴うこともあります。化膿性菌による感染が主な原因で、特に耳下腺炎を引き起こすムンプスウイルス感染との合併が多くみられます。治療法としては、抗菌薬による薬物療法が一般的です。重症例では、膿瘍を切開して膿を出すなどの外科的処置が必要となる場合もあります。顎下腺炎は、早期発見と適切な治療が重要です。放置すると、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
顎下腺の検査と治療
顎下腺の検査には、まず問診と視診が行われます。次に、触診で腫張の有無や触感を確認し、超音波検査では腫瘍の大きさや形状、血流の有無を調べます。必要に応じて、細胞診や生検で組織を採取して、悪性腫瘍かどうかを診断します。
治療は、腫瘍の大きさや悪性度、患者の年齢や全身状態を考慮して決定されます。良性腫瘍の場合、経過を観察したり、手術で摘出したりします。悪性腫瘍の場合は、手術による摘出が基本ですが、化学療法や放射線療法を併用する場合もあります。転移防止のため、頸部郭清というリンパ節の摘出術が行われることもあります。