顔面神経麻痺とは?その原因と症状
医療と看護を知りたい
『顔面神経麻痺』について教えてください。
医療の研究家
顔面神経麻痺とは、顔面神経という神経が何らかの障害を受けて、顔面に麻痺が生じる症状のことです。
医療と看護を知りたい
どのような症状が現れますか?
医療の研究家
前額のしわ寄せができない、まぶたが閉じられない、口角が下がる、口輪筋の筋力が低下するなどの症状が現れます。
顔面神経麻痺とは。
「顔面神経麻痺」という病名は、脳と神経に関する医学用語です。顔面神経麻痺とは、顔面を支配する第7脳神経である顔面神経に何らかの原因で障害が起こって、顔面の麻痺が生じた状態のことです。
症状としては、前額のしわを寄せられない、まぶたを閉じられない、鼻の溝が消えてしまう、口角が下がってしまう、唇周りの筋肉の力が弱まるなどが挙げられます。また、顔面の痛みやしびれ、舌の先端の2/3の領域での味覚障害、涙や唾液が出にくくなるなどの症状が出ることがあります。
多くの人は、鏡で自分の顔の表情筋に左右差があることに気付いたり、家族や友人に指摘されたり、食べ物がこぼれたりすることで、この病気に気付きます。
顔面神経麻痺の症状
-顔面神経麻痺の症状-
顔面神経麻痺の主な症状は、顔の一側または両側における筋肉の麻痺です。これは片付けたり笑ったりといった顔の表情が困難になることにつながります。その他の一般的な症状には以下が含まれます。
* まぶたが垂れ下がる(眼瞼下垂)
* 目を閉じることができない
* 口が曲がっている
* 食べ物や飲み物をこぼす
* 味覚の変化
顔面神経麻痺の原因
顔面神経麻痺の原因は多岐にわたっています。最も一般的な原因は、特発性顔面神経麻痺と呼ばれ、原因不明のもので、全症例の約70%を占めます。
その他の原因としては、ヘルペスウイルス感染が挙げられます。ウイルスが顔面神経に感染することで炎症を起こし、麻痺を引き起こします。また、ベル麻痺と呼ばれるものもherpesウイルスの感染が原因で起きる顔面神経麻痺です。
さらに、帯状疱疹ウイルス感染、ライム病、サルコイドーシス、悪性腫瘍、外傷などが原因となることもあります。
顔面神経麻痺の診断
顔面神経麻痺の診断においては、通常、医師による身体診察が行われます。医師は、顔の筋肉の動きを調べ、麻痺の程度と分布を確認します。さらに、症状の経過や既往歴などを尋ね、原因の特定を試みます。顔面神経麻痺がウイルス感染が疑われる場合には、血液検査やウイルス検査が行われることもあります。また、画像検査(CTやMRI)が、脳腫瘍や骨折など、他の潜在的な原因を調べるために実施される場合があります。
顔面神経麻痺の治療
顔面神経麻痺の治療は、麻痺の原因によって異なります。ほとんどの場合、症状は数週間から数か月で自然に回復しますが、治療によって回復プロセスを早めることができます。
重症の場合には、ステロイド薬や抗ウイルス薬が処方されることがあります。ステロイド薬は炎症を抑え、抗ウイルス薬は麻痺の原因となっているウイルスを攻撃します。
また、理学療法や作業療法も回復を支援するために推奨されます。これらの治療法では、顔の筋肉の動きを再学習し、機能の低下を軽減するためのエクササイズやテクニックが指導されます。
重度の麻痺の場合には、顕微鏡手術が必要になることがあります。この手術では、圧迫された神経を解放し、神経機能を回復させます。しかし、顕微鏡手術はすべての患者に適しているわけではなく、リスクを伴うため慎重に検討する必要があります。
顔面神経麻痺の予後
-顔面神経麻痺の予後-
顔面神経麻痺の予後は、麻痺の重症度や原因によって異なります。軽度の麻痺は数週間から数か月で自然に回復することが多いです。一方、重度の麻痺は、治療やリハビリテーションが必要となり、回復に数か月から数年かかる可能性があります。
ベル麻痺と呼ばれる最も一般的なタイプの顔面神経麻痺の場合は、80~90%の患者が数か月以内に回復します。しかし、重度のベル麻痺や、別の原因による顔面神経麻痺の場合は、回復に時間がかかるか、完全に回復できない可能性があります。
顔面神経麻痺の回復を早めるためには、早期診断と治療が不可欠です。治療には、抗ウイルス薬、ステロイド、リハビリテーションなどが含まれます。リハビリテーションでは、顔面の筋肉を刺激し、機能を回復させるための運動を行います。