モジュールナーシングとは？特徴やメリットを解説
医療と看護を知りたい
先生、モジュールナーシングについて教えてください。
医療の研究家
モジュールナーシングは、プライマリーナーシングとチームナーシングを組み合わせた日本独自の看護方式です。
医療と看護を知りたい
なるほど、それでモジュールに分けて担当を振り分けるんですね。
医療の研究家
そうです。この方式により、看護師が患者を全体的に把握しやすく、偏りのない看護を提供できます。
モジュールナーシングとは。
日本の看護方式である「モジュールナーシング」は、プライマリーナーシングとチームナーシングを融合させたものです。
モジュールナーシングでは、病棟を複数のチームに分けて、チーム内の看護師をさらに小グループ（モジュール）に分けます。各モジュールは一定期間、特定の患者を担当し、入院から退院まで一貫したケアを提供します。
この方法は、日本の病院の看護師がアメリカに比べて圧倒的に少ないという背景に基づいています。
-メリット:-
* 看護師は患者の全体像を把握しやすく、看護計画の立案、実施、評価がしやすい
* プライマリーナーシングと異なり、患者が受ける看護に偏りが生じにくい
* モジュールのリーダーが看護師の能力差を補える
* チームナーシングと比較して、担当患者の回復過程を継続的に見守れるため、看護師のモチベーションが向上しやすい
モジュールナーシングの定義
モジュールナーシングの定義
モジュールナーシングは、患者ケアを「モジュール」と呼ばれる特定の単位に分割して組織する看護形態です。各モジュールは、看護師1人または複数の看護師で構成され、特定の数の患者に責任を持ちます。看護師は、患者のニーズに応じてモジュール間でローテーションし、患者は一貫したケアを受けられるようにします。モジュール間の責任分担により、看護師の効率が高まり、患者の満足度が向上します。
モジュールナーシングの仕組み
モジュールナーシングにおける「モジュール」とは、主に病棟内の患者を機能に合わせてグループ化したエリアのことを指します。これらのモジュールは、特定の患者集団に合わせたケアを提供するための独立したユニットとして設計されています。例えば、回復期にある患者、術後ケアを必要とする患者、慢性疾患を抱える患者向けのモジュールがあります。モジュールは、基本的な看護ケアから専門的な医療処置まで、患者に必要なすべての医療サービスを提供できるよう、設備やスタッフが整えられています。
モジュールナーシングのメリット
モジュールナーシングのメリットは多岐にわたります。まず、効率性の向上が挙げられます。モジュールごとに看護師や医師の配置を最適化することで、重複業務を削減し、患者一人ひとりに十分なケアを提供できます。また、プライバシーの保護も向上します。モジュールは個室または少人数の部屋で構成されているため、患者は混雑した大部屋でプライバシーが侵害されることを心配する必要がありません。さらに、感染制御も強化されます。モジュールは独立したユニットになっているため、感染症の蔓延を防ぐことができます。
モジュールナーシングの背景
-モジュールナーシングの背景-
高度な医療技術や治療法の進歩に伴い、患者さんの医療ニーズは複雑化・多様化しています。従来の病棟形態では、患者の状態や治療内容によって必要な看護師の数が異なるため、看護人員の配置が効率的でないという課題がありました。
この課題を解決するためにモジュールナーシングが導入されました。モジュールナーシングでは、患者さんの状態や求められる看護内容に応じて、病床を一定のモジュール（単位）に分割し、各モジュールに専任の看護師チームを割り当てます。これにより、看護師の配置が適正化され、患者さん一人ひとりに必要な看護が効率的かつ切れ目なく提供できるようになります。
モジュールナーシングの評価
モジュールナーシングの評価については、さまざまな視点からなされています。ポジティブな評価としては、患者一人ひとりのプライバシーを確保し、快適な療養環境を提供できることが挙げられます。また、ユニットが独立しているため、感染管理が容易になり、院内感染のリスクを低減できます。さらに、看護スタッフが患者を集中してケアできるため、効率的な看護を提供することが可能になります。
一方、ネガティブな評価としては、患者とのコミュニケーションや連携が取りにくい、他のユニットのスタッフと情報共有が困難になる、などの意見もあります。また、ユニットのスペースが制限されるため、患者数の増加や医療機器の進歩に対応するのが難しい場合もあります。さらに、初期投資費用が大きく、すべての医療機関に導入するにはコスト面での負担が大きいとされています。