リビングウィルとは？尊厳死との関係
医療と看護を知りたい
先生、医療の救急・ICUに関する用語の「リビングウィル」について教えてください。
医療の研究家
リビングウィルとは、将来生命維持が困難になった際に、延命治療などの医療行為について自分の意思をあらかじめ表明しておく文書のことです。
医療と看護を知りたい
なるほど、尊厳死とも関係があるのですね。
医療の研究家
はい、尊厳死はリビングウィルに基づいて行われる場合が多いです。また、葬儀や臓器提供の意思表示もリビングウィルの内容に含むことができます。
リビングウィルとは。
医療の緊急時には関連する用語として「リビングウィル」があります。リビングウィルとは、不治の病や重傷を負った場合に、延命治療や生命維持装置の使用に対する自分の希望を事前に文書として表明しておくものです。
「尊厳死」と密接に関連した考え方で、「尊厳死宣言」や「事前宣言書」とも呼ばれます。延命治療に関する要望だけでなく、葬儀の方式や臓器提供の意思などもリビングウィルに含まれるとされています。
リビングウィルの概要
リビングウィルは、本人の意思を文書に残しておくことで、将来、自分自身で意思表示ができなくなったときの治療方針を定めるものです。 リビングウィルは「尊厳死宣言書」とも呼ばれ、生命維持治療の拒否や希望する延命治療について記載することができます。 リビングウィルは、自己決定権を重視する社会の中で、尊厳死に関する問題への対策として注目されています。
リビングウィルの種類
リビングウィルとは、自身の意思で病気やけがで意思表示が困難になった際に、医療処置について事前に指示しておく書面のことで、その種類は大きく分けて2つあります。
1つ目は「限定型リビングウィル」で、特定の病気やけがが発生した場合のみに適用されます。例えば、末期がんや脳死などの状態になったときに限って、延命治療を拒否する旨を記載します。
もう1つは「包括型リビングウィル」で、病気やけがの種類に関わらず、意思表示ができないすべての状況に適用されます。例えば、事故や病気で意識不明になった場合や、認知症などで判断能力が失われた場合などに、延命治療や人工栄養を拒否する旨を記載します。
リビングウィルの作成方法
-リビングウィルの作成方法-
リビングウィルを作成するには、書面にすることが必要です。自筆で作成でき、公証人の認証は不要です。ただし、2人以上の証人の署名と押印が必要です。証人は、作成者とは親族関係のない成年者でなければなりません。
リビングウィルには、自分の意思を明確に記載します。具体的には、終末期の医療行為の希望や、延命措置を拒否する旨などを記載します。また、代弁者を指定することもできます。代弁者は、作成者が意思表示できない場合、リビングウィルの内容に従って医療上の決定を代行します。
尊厳死との関係
尊厳死との関係では、リビングウィルと尊厳死の関係について触れましょう。尊厳死とは、末期的な疾患で回復の見込みがなく、苦痛が強い場合に、本人の意思に基づいて生命を終わらせる医療行為です。
リビングウィルは、尊厳死を希望する意思表示としても活用できます。具体的には、リビングウィルに「回復の見込みのない末期的な疾患になった場合、生命維持治療を拒否する」旨を記載することで、本人の尊厳死の希望を明確にすることができます。
リビングウィルの意義
リビングウィルとは、自らの意思を尊重し、尊厳のある最期を迎えるために作成する法的文書です。その意義は、万が一、自分自身の意思表示が困難となった場合に、延命治療などの医療行為をどこまで受けるかをあらかじめ示しておくことにあります。これにより、本人や家族、医療従事者間の意思疎通が円滑になり、患者の意思に沿った最期を迎えることが可能となります。