心療内科のすべて!定義と対象疾患、欧米・日本の違い
医療と看護を知りたい
先生、「心療内科」ってどんな科ですか?
医療の研究家
心療内科は、身体的な症状だけでなく、患者の精神面や生活環境なども考慮して総合的に診察する科だよ。
医療と看護を知りたい
そうなんですね。欧米と日本では発展の歴史が違うんですか?
医療の研究家
そうだね。欧米では精神科から発展したけど、日本では内科から発展して、心理的な要因が関わる身体の病気を見ることを専門としているんだ。
心療内科とは。
医療用語の「心療内科」とは、患者の身体症状だけでなく、精神面や社会的な側面も総合的に診察する診療科です。
欧米では精神科が中心となって発展しましたが、日本では心理的要因が関係する身体的疾患を扱うという観点から、内科主導で発展してきました。主な対象疾患は、心身症です。
心療内科とは
心療内科とは、心身症やストレス関連障害など、身体的症状を伴う精神的な問題を専門的に扱う医療科です。心身症とは、精神的な要因が身体的な症状に現れるもので、ストレス関連障害は、過度のストレスによって引き起こされる心の不調を指します。心療内科では、こうした心と身体の密接な関係性に注目し、心理療法や薬物療法など、患者さんの状態に合わせた治療を行います。
心療内科の対象疾患
心療内科の対象疾患は、心身症と呼ばれるストレスによって引き起こされる身体症状を伴う精神疾患、および心因反応と呼ばれる日常生活に支障をきたす精神障害を指します。具体的には、不安障害(パニック障害、強迫性障害など)、気分障害(うつ病、躁うつ病など)、睡眠障害(不眠症、過眠症など)、摂食障害(拒食症、過食症など)、解離性障害(離人症、解離性同一性障害など)、ストレス関連障害(心的外傷後ストレス障害など)、心身症(胃潰瘍、過敏性腸症候群など)、心因反応(対人恐怖症、社交不安障害など)などが含まれます。これらの疾患は精神的なストレスが身体的または精神的な症状を引き起こすという特徴があります。
欧米と日本の心療内科の違い
欧米の心療内科は主に精神科医が担っており、精神保健分野の医療に特化しています。一方、日本の心療内科は幅広く、内科医が診る場合も多く、心身症やストレス関連疾患など、身体症状を伴う疾患の治療も行います。また、歐米では精神保健サービスは一般的に専門家によって提供されますが、日本では心療内科医がプライマリーケアの一部として心理社会的支援を提供する場合があります。さらに、日本の心療内科は漢方薬や針治療などの伝統的な医学を取り入れることも少なくありません。
心療内科の診察の流れ
心療内科の診察の流れでは、心療内科を受診した際の一連の手順を紹介します。まず、患者の病状を把握するため、主治医は問診票への記入や面談を通じて、病歴や現在の症状、日常生活でのストレス要因などを詳しく尋ねます。次に、身体検査や血液検査などの医学的検査を行い、器質的な疾患の有無や精神症状の原因究明を行います。最後に、医師は患者の症状や検査結果を総合的に判断し、診断を下します。診断に基づき、薬物療法や心理療法など、最善と思われる治療計画を決定し、患者に説明します。
心療内科で処方される治療法
心療内科では、不調の根本的な原因が精神的側面にあると判断された場合に、さまざまな治療法が処方されます。薬物療法として、不安を和らげる抗不安薬や、抑うつ症状を改善する抗うつ薬などが用いられます。心理療法では、認知行動療法や対人関係療法など、思考や行動を変化させることで不調を改善する方法が実践されます。精神療法は、患者さんの無意識や深層心理に働きかけ、心の構造を変えていくことを目的としています。また、運動療法や栄養療法など、身体の健康を改善することで間接的に精神状態にも良い影響を与える治療法も取り入れられています。