医療の精神科用語『自己効力感』とは
医療と看護を知りたい
先生、「自己効力感」って何ですか?
医療の研究家
「自己効力感」とは、課題に直面したときに「自分にはできる」と信じる認知的な信念のことだよ。
医療と看護を知りたい
認知ってなんですか?
医療の研究家
認知とは、自分が考えていることに気付いて認識することだよ。つまり、「自分にはできる」という信念を持つことだね。
自己効力感とは。
医療用語でたびたび登場する「自己効力感(じここうりょくかん)」とは、何らかの課題や特定の状況に直面したときに、「自分にはこれを達成できる可能性がある」と認識することです。ここでいう「認識」とは、自分が考えていることに気づき、それを理解することを意味しています。自己効力感の概念は、1977年にカナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。
自己効力感の定義
医療分野で用いられる精神科用語である「自己効力感」とは、個人が特定の状況や課題に対して、自分の能力や行動が目標を達成するための効果をどの程度確信しているかを指します。これは、自分自身の能力に対する信念や期待であり、自信や活動意欲、ストレスへの対処能力などに影響を及ぼします。
自己効力感が向上する場面
-自己効力感が向上する場面-
自己効力感とは、個人が特定の状況で特定の行動をとる能力に対する自信の度合いです。自己効力感が向上すると、個人のパフォーマンス、目標達成、全般的な幸福感が向上します。
自己効力感が向上する場面は数多くあります。その中には、以下のようなものがあります。
* -成功体験- 過去の成功体験は、同様の状況で再び成功できるという信念を強化し、自己効力感を高めます。
* -観察学習- 他者がタスクをうまく実行するのを見ると、自分でも同じようにできるという信念が高まります。
* -言語的説得- 他者から「あなたならできる」と言われることで、自己効力感が向上することがあります。
* -感情的喚起- 喜び、達成感、自信などのポジティブな感情は、自己効力感を高めます。
* -課題の難易度- 手頃な難易度の課題に挑戦すると、自己効力感が向上します。難しすぎる課題はやる気をなくし、簡単すぎる課題は自己効力感を育みません。
自己効力感が低い場合の影響
-自己効力感が低い場合の影響-
自己効力感が低い人は、課題に対する自信を失い、失敗を恐れる傾向があります。また、困難に直面すると簡単に諦めたり、回避する可能性が高いです。さらに、自分の能力を過小評価し、自分自身に否定的なラベルを付けることがあります。
自己効力感が低いと、さまざまな悪影響が生じます。例えば、学業成績の低下、仕事の生産性の低下、対人関係の問題、さらには精神的な健康問題につながる可能性があります。また、目標の設定を避け、自分の可能性を制限することも考えられます。
自己効力感を向上させる方法
自己効力感を向上させる方法
自己効力感は、自分の能力に対する信念です。自己効力感を向上させることで、困難な状況に立ち向かい、目標を達成しやすくなります。自己効力感を向上させる方法をいくつかご紹介します。
* 小さな目標を設定する巨大な目標は圧倒的に感じるかもしれませんが、小さな目標は達成可能なものに感じられ、やる気を維持できます。
* 成功体験を積み重ねる小さな目標を達成することで、自分の能力に対する自信が強まります。最初は簡単なことから始め、徐々に難易度を上げていきましょう。
* 自分の強みに焦点を当てる自分の得意なことに集中し、自分の能力を過小評価しないようにしましょう。強みを活かすことで、自信が高まります。
* マイナス思考を避けるネガティブな考えは自己効力感を低下させます。前向きな思考を保ち、失敗しても、そこから学び成長する機会と捉えましょう。
* 他人と効果的につながる支持的な友人や家族は、自信を高めるのに役立ちます。周囲に理解者を持ち、目標を共有しましょう。
医療における自己効力感の重要性
医療において自己効力感は重要な役割を果たします。自己効力感は、患者が自分の健康状態に対して何をどれだけできるかという自信のことです。高い自己効力感は、患者の治療への参加を促進し、治療効果を高めるとされています。
自己効力感が高い患者は、治療計画に従い、定期的な診察を受け、健康的な生活習慣を維持する可能性が高くなります。また、病気の症状をコントロールし、治療に伴う課題に対処するレジリエンスも向上します。これにより、全体的な健康状態の改善と、より良好な治療アウトカムにつながります。