チャドック反射とは？錐体路障害の指標となる反射
医療と看護を知りたい
『チャドック反射』について教えてください。
医療の研究家
チャドック反射は、バビンスキー反射の変法で、外果の下を後方から前方にこすると母指が背屈する反射です。正常では認められず、錐体路障害で出現します。
医療と看護を知りたい
锥体路障害とは何ですか?
医療の研究家
錐体路障害とは、大脳皮質運動野から脊髄前角細胞までをつなぐ錐体路が障害されることで生じる運動障害のことで、病巣が錐体路のどの部分にあるかによって症状が異なります。
チャドック反射とは。
「チャドック反射」は脳や神経系の医療用語です。バビンスキー反射の一種で、足の外側のカーブした部分を後ろから前にこすったときに、親指が上向きになる反応が出ると陽性と判断されます。通常は現れない反射で、錐体路障害などの神経系の異常によって生じる可能性があります。
チャドック反射の概要
チャドック反射とは、大腿四頭筋の収縮に反応してハムストリングスが弛緩する反射です。脊髄の仙髄レベルに支配され、錐体路の機能障害を示す指標として臨床的に利用されています。膝蓋腱を叩打すると、大腿四頭筋が収縮し、その刺激が脊髄を通ってすぐにハムストリングスの弛緩を引き起こします。この反射は、錐体路が損傷を受けると減弱または消失するため、錐体路の障害の診断に役立ちます。
チャドック反射の検査方法
チャドック反射の検査方法は比較的簡単です。まず、患者を仰向けに寝かせ、リラックスした状態にさせてください。次に、患者さんの両方のつま先を内側に軽く引っ張ります。正常な錐体路では、つま先が扇状に外側に開きます。これがチャドック反射です。錐体路が障害されている場合、つま先は外側に開かず、内側に曲がったままとなります。
チャドック反射の陽性判定
-チャドック反射の陽性判定-
チャドック反射が陽性と判定されるのは、患者の足首を背屈させると、同側の膝関節が自動的に伸展する場合です。これは、錐体路の損傷によって脊髄の抑制性力が低下し、脊髄の伸展反射が過剰になることが原因です。陽性反応は、錐体路障害の重要な指標と見なされ、脊髄疾患や脳血管障害などの神経系の病態を診断する上で役立ちます。
チャドック反射が認められる疾患
チャドック反射は錐体路障害の重要な指標となる反射ですが、特定の疾患でも見られます。例えば、多発性硬化症や脊髄小脳変性症などの中枢神経系疾患では、錐体路に障害が生じてチャドック反射が出現します。また、脳卒中や頭部外傷などによって錐体路が損傷した場合にもチャドック反射が認められます。これらの疾患では、錐体路の障害により下肢の随意運動が障害され、歩行や立位が困難になります。チャドック反射は、このような錐体路障害の早期発見や評価に役立ちます。
チャドック反射の意義
-チャドック反射の意義-
チャドック反射は、錐体路障害を評価する上で、重要な指標となります。錐体路障害とは、脳の運動皮質から脊髄へ運動情報を伝える神経経路に損傷が生じる状態を指します。この障害があると、随意運動の低下や錐体路徴候と呼ばれる異常反射が出現します。
チャドック反射は、患者の膝蓋腱を叩打して大腿四頭筋を収縮させると、反対側の膝関節が伸展する反応です。正常であれば起こりませんが、錐体路障害があると、反射が亢進して異常な膝伸展が見られます。これは、錐体路障害により運動情報が抑制できず、反対側の運動神経が刺激されてしまうためです。
したがって、チャドック反射は錐体路障害の診断や経過観察において、有益な情報を提供します。また、脊髄損傷やか脳血管障害などの錐体路障害の鑑別にも役立てられます。