褥瘡（デクビ）について

褥瘡（デクビ）について

デクビ（褥瘡）とは？

-デクビ（褥瘡）とは？-

褥瘡、別名デクビは、特定の部位に継続的な圧力が加わったり、摩擦やずれが起こったりして皮膚と組織が損傷した状態です。長時間同じ姿勢でいる、または動けない状態が続くと、局所的に血流が低下し、組織に酸素と栄養が十分に行き渡らなくなります。その結果、組織が壊死して褥瘡が発生します。

デクビの原因とリスク因子

-デクビの原因とリスク因子-

褥瘡（デクビ）は、持続的な圧迫やずれによって引き起こされる皮膚と下の組織の損傷です。この圧迫やずれは、主に以下の要因によって生じます。

* 長時間の座位や臥床身体の特定部位に継続的に圧力がかかると、血流が妨げられ、皮膚に損傷が生じます。
* 動きが制限されている麻痺や関節炎などの状態により、身体のポジションを頻繁に変更できず、圧迫やずれのリスクが高まります。
* 栄養不足栄養不良は皮膚の健康に悪影響を及ぼし、圧迫やずれに対する抵抗力が低下します。
* 湿潤環境汗や尿による湿気は皮膚を弱め、褥瘡のリスクを高めます。
* その他のリスク因子年齢（高齢者ほどリスクが高い）、糖尿病、喫煙、肥満も褥瘡のリスクを高める要因として挙げられます。

デクビの症状と段階

デクビの症状と段階

褥瘡（デクビ）は、皮膚や組織に加わる圧力や摩擦によって発生する傷で、主に寝たきりの方や長時間同じ姿勢でいる方に発症します。症状は段階的に進行し、軽度の赤みから重度の潰瘍まで現れます。

* -第1段階-皮膚の発赤。圧力をかけると白くなり、圧力を離すと赤みが戻る。
* -第2段階-表皮の損傷。皮膚が破れて浅い傷ができ、漿液（しょうえき）が出ることがある。
* -第3段階-真皮の損傷。深い傷になり、脂肪組織が露出することがある。
* -第4段階-筋肉や骨の損傷。最も重症で、筋肉や骨が露出した状態。感染症を併発するリスクが高い。

デクビの予防と対策

-デクビの予防と対策-

褥瘡（デクビ）を予防するためには、定期的な体位変換が不可欠です。長時間同じ姿勢でいると、皮膚に圧力がかかりすぎて褥瘡が発生するリスクが高まります。特に、体重がかかる部位（お尻や仙骨、かかとなど）に注意が必要です。2～3時間ごとに体位を変え、圧力を分散させましょう。

また、清浄と保清も重要です。皮膚が清潔で乾燥していると、褥瘡の発生を防ぐことができます。入浴やシャワーで皮膚を清浄に保ち、おむつやパッドを交換して湿気を防ぎましょう。

さらに、栄養状態の改善も予防に役立ちます。タンパク質やビタミンが不足すると、皮膚の健康が損なわれて褥瘡ができやすくなります。バランスの取れた食事を心がけ、必要に応じて栄養剤を摂取しましょう。

これらの予防策を講じても褥瘡が発生した場合は、早期に医療機関を受診してください。症状が軽い段階であれば、適切な治療により完治させることができます。

デクビの治療方法

-デクビの治療方法-

褥瘡の治療は、その重症度や原因に応じて異なります。初期段階の褥瘡は、局部的な治療で改善することができます。洗浄液や消毒剤の使用、保護パッチの装着などが含まれます。また、患部の圧迫を軽減することが重要で、特殊なマットレスやクッションの使用が推奨されます。

中度から重度の褥瘡の場合、より侵襲的な治療が必要となることもあります。壊死組織の切除、抗菌薬の投与、皮膚移植などが含まれます。また、栄養状態の改善や、体重の減少も治療に役立ちます。

褥瘡の治療には時間がかかります。定期的な医師の診察や看護師のケアを受け、治療計画を順守することが不可欠です。適切な治療を受けることで、褥瘡の治癒を促進し、長期的な合併症を防ぐことができます。