びらんとは?皮膚科用語を分かりやすく解説
医療と看護を知りたい
先生、皮膚科の『びらん』について教えてください。
医療の研究家
びらんとは、皮膚や粘膜の表面が欠損して、下にある組織が見える状態のことだよ。
医療と看護を知りたい
糜爛やただれと同じことですか?
医療の研究家
そうとも言えるね。治癒すると瘢痕を残さず、水泡や膿胞が破れることで発生することもあるよ。
びらんとは。
皮膚科学の用語である「びらん」とは、皮膚や粘膜の表面が傷つき、下の組織が露出した状態のことです。糜爛やただれとも呼ばれます。傷が癒えれば傷跡は残りません。びらんは、水ぶくれや膿疱が破れた後に生じることがあります。
びらんとは?
びらんとは? 皮膚の最表層(角質層)がはがれ落ちた状態を指します。皮膚表面に赤みがあり、傷口が開いている場合がありますが、通常は出血はありません。びらんは、すり傷、やけど、摩擦、湿疹などの刺激や外傷によって起こることがあります。角質層が再生すれば治癒しますが、時間がかかる場合や、感染症を起こす可能性もあります。
びらんと他の皮膚疾患との違い
びらんと他の皮膚疾患の違い
びらんは皮膚の最上層(表皮)が損傷した状態を指します。他の皮膚疾患と区別する際に重要なのは、この損傷が「部分的」であるという点です。つまり、表皮の全層が失われるのではなく、一部が剥がれたり、傷ついたりしている状態です。
一方、潰瘍は表皮に加えて真皮(その下の層)まで損傷する重症な皮膚の欠損で、びらんよりも深い損傷となります。また、水疱は液体で満たされた皮膚の膨らみで、びらんと違って皮膚が破れていません。湿疹はさまざまな原因により起こる皮膚の炎症で、発赤、かゆみ、水疱などの症状を伴いますが、びらんとは異なります。
びらんの原因
びらんの原因は、外傷や摩擦、炎症、感染症など多岐にわたります。外傷とは、切り傷や擦り傷などの皮膚への物理的な損傷のことです。摩擦は、皮膚が繰り返しこすれたり圧迫されたりすることで起こり、褥瘡(じょくそう)などのびらんを引き起こす可能性があります。
炎症は、皮膚に刺激物やアレルギー物質が接触したり、免疫系の異常によって引き起こされます。代表的な炎症性びらんには、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などが挙げられます。最後に、感染症では細菌、ウイルス、真菌などが皮膚に感染することでびらんが生じます。代表的な感染性びらんには、ヘルペスや水虫などがあります。
びらんの治療法
びらんの治療法は、びらんの程度や原因によって異なります。軽度のびらんは通常、自己治療しますが、重度のびらんや原因が特定できない場合は、医師の診察を受ける必要があります。
治療法としては、抗菌薬による感染予防や、ステロイド軟膏による炎症の軽減などが挙げられます。また、傷口の清潔を保ち、ガーゼなどを使用するなどして保護することも大切です。さらに、びらんの原因が貧血などの全身疾患であれば、その治療も行われます。
びらんの治癒にかかる時間は、程度や原因によって異なります。軽度のびらんであれば数日で治りますが、重度のびらんや原因が特定できない場合は、治療期間が長くなる可能性があります。
びらんの予防法
びらんを予防するには、肌に対する過度な刺激を避けることが大切です。皮膚に直接強い刺激を与える行為、例えば搔いたり擦ったりすることを控えるようにしましょう。乾燥肌はびらんのリスクを高めますので、普段から保湿を心がけましょう。また、皮膚が乾燥しやすい環境、例えばエアコンの効いた部屋や冬の屋外などでは、加湿器の使用や皮膚の保護対策を講じてください。さらに、糖尿病など慢性疾患のある方は、血流障害や免疫力の低下によってびらんが起きやすくなります。そのため、適切な治療や管理を怠らないことが予防に繋がります。