ウォックナースとは？皮膚・排泄ケア認定看護師の役割
医療と看護を知りたい
「ウォックナース」って何ですか？
医療の研究家
皮膚・排泄ケアの専門看護師のことだよ
医療と看護を知りたい
どういうきっかけでできたんですか？
医療の研究家
1986年にストーマ療法士の養成校として開設され、その後、日本看護協会の制度によってWOC認定看護師教育課程ができたんだよ
ウォックナースとは。
医療分野の専門用語「ウォックナース」とは、皮膚と排泄ケアの認定を受けた看護師を指します。
1986年、聖路加国際病院にストーマ療法士（ET）の養成学校が開設され、ETが育成されていました。その後、1996年に日本看護協会の制度により、ET養成課程が6か月間の皮膚・排泄ケア（WOC）認定看護師教育課程に変更され、日本看護協会認定のWOC認定看護師が誕生しました。
WOC看護認定看護師は、創傷（Wound）、ストーマ（Ostomy）、失禁（Continence）のケアを専門としており、これらの頭文字をとってWOCナースと称されていました。しかし、2007年7月に名称が「皮膚・排泄ケア認定看護師」に変更されています。
ウォックナースの定義
ウォックナースは、皮膚・排泄ケア認定看護師のことであり、皮膚や排泄に関する専門知識と技術を有した看護師です。褥瘡や創傷、失禁などの皮膚・排泄ケアの課題を抱える患者さんを対象に、包括的なケアを提供します。また、患者さんとその家族に皮膚・排泄ケアの指導を行い、自己管理を支援します。
ウォックナースの役割
ウォックナースの役割は、皮膚・排泄ケアの専門家として、全人的なケアに携わっています。彼らは、褥瘡や難治性創傷などの皮膚トラブルの予防と治療を担当し、患者の生活の質の向上に努めます。また、排泄ケアにおいては、排便・排尿障害の管理や、失禁に対するケアプランの作成・実施を行います。さらに、患者や家族への教育や相談も行い、最適な皮膚・排泄ケアをサポートしています。
ウォックナースの資格取得
ウォックナースの資格取得には、特定の条件を満たす必要があります。まず、看護師として3年以上の実務経験を持ち、そのうち2年以上が皮膚・排泄ケアに関連する分野でなければなりません。さらに、認定看護師であるか、認定看護師試験に合格している必要があります。この試験は、日本ウォックナース協会主催の「皮膚・排泄ケア認定看護師認定試験」であり、皮膚・排泄ケアに関する専門知識と実践能力を問われます。試験に合格し、資格を認証することで、ウォックナースとして活躍することができるようになります。
ウォックナースの歴史
ウォックナースの歴史は、皮膚・排泄ケアの専門的看護の歩みと密接に関連しています。このコンセプトは、1950年代の米国で、医師のジョージ・ゴードン・ダイクが、褥瘡（床ずれ）の予防とケアに重点を置いた看護師の専門化を提唱したことに端を発しています。
1960年代には、皮膚・排泄ケアに特化した看護師の教育プログラムが展開され始めました。1970年代になると、ウォックナース（Wound, Ostomy, Continence Nurse）という呼称が確立され、褥瘡やストーマ（人工肛門や人工膀胱）のケア、および失禁のマネジメントにおける専門性を示すようになりました。
ウォックナースと他の医療従事者との連携
ウォックナースは、他の医療従事者とも緊密に連携して、包括的な患者ケアを提供しています。皮膚・排泄管理チーム（SWAT）と協力し、患者の皮膚・排泄器系の健康を評価・管理します。ナースプラクティショナーや医師とは、診断や治療計画を相談し、適切な治療方針を決定します。また、理学療法士や作業療法士と連携して、患者の移動や排泄機能の改善をサポートします。