交差適合試験とは? 医療の検査・診断用語を解説
医療と看護を知りたい
「医療の検査・診断に関する用語『交差適合試験』とは何ですか?」
医療の研究家
交差適合試験は、患者に移植する血液製剤と患者の血液が適合しているかどうかを調べる検査です。
医療と看護を知りたい
それって、輸血の前とかに行われるんですか?
医療の研究家
その通りです。輸血前には、交差適合試験でドナーの血液が患者に適合していることを確認することが義務付けられています。
交差適合試験とは。
医療の検査・診断に用いられる用語として「交差適合試験」があります。
交差適合試験(Cross Match)とは、患者に輸血する輸血用血液製剤と患者自身の血液が適合しているかどうかを確認するための検査です。この検査により、輸血後の輸血後反応のリスクを低減できます。略して「クロスマッチ」「クロスマッチテスト」とも呼ばれます。
交差適合試験の概要
-交差適合試験の概要-
交差適合試験とは、輸血前に患者と輸血用血液の適合性を確認する検査です。この検査では、患者の血清を輸血用血液に加えて反応を調べ、輸血後の拒絶反応や溶血を防ぎます。交差適合試験では、ABO式とRh式の適合性のほか、不規則抗体の有無も確認されます。不規則抗体は、輸血用血液に反応して輸血後の溶血を引き起こす可能性のある抗体です。
交差適合試験の種類
-交差適合試験の種類-
交差適合試験には、主に3つの種類があります。
* -主要交差適合試験-最も一般的なタイプの試験で、適合性検査の標準とされています。患者の血清とドナーの赤血球を混ぜ合わせて反応を観察します。
* -マイナー交輸適合試験-主に輸血の際の抗原適合性の確認に使用されます。患者の血清とドナーの赤血球の一部を混ぜ合わせて反応を観察します。
* -自己交差適合試験-自己免疫疾患の診断や調査に使用されます。患者の血清と患者の赤血球を混ぜ合わせて反応を観察します。
交差適合試験の手順
交差適合試験の手順は、次のステップで行われます。
1. 患者とその輸血対象者の血液を採取します。
2. 患者血清と輸血対象者赤血球を混ぜ合わせます。その後、抗凝固剤を加えて37℃で30分間インキュベートします。
3. 血球が凝集しているかどうかを顕微鏡で確認します。凝集が見られれば、輸血ができないことを示します。
4. 同じ手順を、輸血対象者血清と患者赤血球についても実施します。
5. 両方の試験で凝集が認められなければ、輸血が安全であると判断されます。
交差適合試験の結果の解釈
交差適合試験の結果の解釈
交差適合試験の結果は、次の3つのカテゴリーに分類されます。
* -適合- レシピエントの血清にドナーの細胞が反応せず、輸血が安全であることを示します。
* -弱陽性- レシピエントの血清にドナーの細胞がわずかに反応するため、輸血後に軽度の反応が起こる可能性があります。
* -陽性- レシピエントの血清がドナーの細胞と強く反応し、輸血後に重篤な反応が起こる可能性が高くなります。この場合、輸血は禁忌となります。
陽性反応の原因としては、患者が以前の輸血や妊娠で抗体が産生されていることなどが考えられます。弱陽性反応は、一部の抗体が存在することを示していますが、輸血後の反応リスクは低い可能性があります。いずれの場合も、輸血の安全性と患者の健康状態を最優先するために、医師は結果を慎重に検討し、適切な決定を下します。
交差適合試験の重要性
交差適合試験は、輸血前に血液の適合性を確認する重要な医療検査です。輸血を受ける患者さんの血液と、輸血する血液を混ぜ合わせて反応を確認します。この反応が激しい場合、輸血後に患者さんの体が輸血された血液を異物として認識して攻撃する可能性があります。そのため、交差適合試験は、輸血による重篤な合併症を防ぐために必須の検査なのです。適切な血液型を輸血することで、患者さんの健康と安全を守り、輸血が必要な治療をより安全に行うことができます。