不規則抗体とは?医療の検査・診断用語を解説
医療と看護を知りたい
先生、「不規則抗体」について教えてください。
医療の研究家
不規則抗体とは、赤血球抗原に対する抗体の中で、抗A抗体と抗B抗体以外のものを指す総称です。
医療と看護を知りたい
つまり、それ以外の抗体の種類っていうことですか?
医療の研究家
そうです。そして、この不規則抗体は、輸血や臓器移植の際、拒絶反応を引き起こす可能性があります。
不規則抗体とは。
「医療で検査・診断に使われる用語に『不規則抗体』があります。不規則抗体とは、赤血球の表面にある抗原に対する抗体の一種で、輸血反応などで問題になる可能性があります。規則性抗体(抗A抗体や抗B抗体)以外のすべての抗体がこの不規則抗体に含まれます。」
不規則抗体とは
不規則抗体とは、血液型検査において、通常のABO式またはRh式血液型システムでは同定できない抗体を指します。このまれなタイプの抗体は、血液輸血や臓器移植を受けた後など、さまざまな状況で発生することがあります。不規則抗体は、輸血された血液または移植された臓器に対する免疫反応の結果として生成され、重篤な溶血性輸血反応や移植片拒絶を引き起こす可能性があります。
不規則抗体の種類
不規則抗体とは、赤血球の型(血液型)を決定する抗原に対し、通常の血液型検査では検出できない抗体です。不規則抗体は、輸血や妊娠などによって異物抗原が体内に侵入した場合に産生されます。
不規則抗体の検査
不規則抗体の検査は、血液中の不規則抗体を検出するために実施されます。これらの抗体は、輸血や妊娠の際に深刻な輸血反応を引き起こす可能性があります。不規則抗体は、広く使用されている血液型検査では検出できない隠れた抗体のグループです。
そのため、輸血前の交差適合試験や妊娠中の抗体スクリーニングなどの特別な検査が必要です。交差適合試験では、輸血する血液と患者の血清を混ぜて、輸血後の適合性を評価します。抗体スクリーニングでは、母親の血液中に胎児の赤血球に対する不規則抗体がないかを調べます。
不規則抗体による輸血反応
不規則抗体による輸血反応は、血液中の赤血球表面に存在しない珍しい抗原に対して生成される抗体を指します。輸血時に、不規則抗体を保有する患者の血液と輸血される血液に抗原の不適合が生じると、赤血球凝集反応を引き起こします。これにより、輸血された赤血球が破壊され、貧血や腎不全などの重篤な合併症につながる可能性があります。
不規則抗体は、輸血を受けたり、妊娠したりすることで産生されることが多く、特定の輸血前に検査によって検出されます。抗原と不規則抗体の組み合わせによっては、輸血反応の重症度が異なります。輸血反応を防ぐためには、不規則抗体を保有している患者には抗原と適合する血液を輸血する必要があります。
不規則抗体の治療
不規則抗体の治療は、その根本的な原因によって異なります。自己免疫疾患が原因の場合は、免疫抑制剤などの薬剤で免疫系を抑制することが治療の選択肢となり得ます。輸血が必要な場合は、不規則抗体が結合しない赤血球を選択することが重要です。
また、不規則抗体産生が一時的なものであれば、時間経過とともに自然に消失することがあります。ただし、不規則抗体が高力価の場合や慢性的な自己免疫疾患によるものの場合は、長期間の治療が必要になる可能性があります。
不規則抗体に対する治療は、患者さんの個々の状態に合わせてカスタマイズされます。医師と綿密に相談し、最適な治療法を決定することが不可欠です。