腹水検査:原因疾患の解明に迫る
医療と看護を知りたい
『腹水検査』って具体的にどういう検査ですか?
医療の研究家
腹腔内に溜まった腹水の性質を調べる検査のことです。
医療と看護を知りたい
腹水って、何が原因で溜まるんですか?
医療の研究家
肝硬変や腎不全など、さまざまな疾患が原因となります。
腹水検査とは。
お腹に液体が溜まっているかどうかを調べる検査「腹水検査」。腹水検査とは、お腹の中に液体がたまっている場合に、その液体の性質を調べ、病気を推測するために実施する検査です。お腹に水が溜まっているのが初めて確認された場合や原因が不明な場合、あるいは細菌によるお腹の炎症が疑われる場合は、腹水検査は欠かせません。
腹水検査とは?
腹水検査とは、腹腔内に溜まった液体を採取し、分析を行う検査です。腹腔とは、横隔膜と骨盤の間にある空間で、通常は少量の液体が含まれています。しかし、何らかの疾患によって液体が過剰に溜まると、腹水が形成されます。腹水検査では、採取した腹水を顕微鏡で観察したり、化学検査や細胞検査を行ったりすることで、腹水の原因となっている疾患を調べます。
腹水検査の目的
腹水検査は、腹部に溜まった液体を検査する重要な診断ツールです。その目的は、腹水の原因となる潜在的な疾患を特定することです。腹水は、肝臓病、心臓病、腎臓病、感染症、腫瘍など、さまざまな健康状態によって引き起こされることがあります。
腹水検査では、腹部に細い針を刺して腹水を採取します。この液体を分析することで、細胞のタイプ、白血球数、タンパク質レベル、その他の情報を調べることができます。これらの結果は、潜在的な疾患の診断や、最適な治療法の決定に役立ちます。
腹水検査の適応
-腹水検査の適応-
腹水検査は、腹部に液体が貯まる腹水の原因疾患を特定する重要な検査です。この検査が適応となるのは、以下の場合です。
* -不明な腹水の原因の評価- 腹部の膨満や腹痛などの症状がみられ、腹水があることが判明した場合、その原因を特定するための検査として適応されます。
* -既往の肝疾患や心臓疾患がある場合- 肝硬変や心不全などの既往症がある場合、腹水はこれらの疾患の悪化のサインを示している可能性があります。
* -感染症の疑いがある場合- 腹膜炎や肝膿瘍など、腹部の感染症が疑われる場合、腹水検査により細菌やウイルスが確認できます。
* -がんの評価- 腹腔内がんは、腹水貯留を引き起こす可能性があります。腹水検査でがん細胞が確認されれば、診断の確定が容易になります。
* -その他の原因- 腹水は、腎不全、膵炎、全身性エリテマトーデスなどの他の疾患によっても引き起こされる可能性があるため、これらの疾患の評価にも適応されます。
腹水検査の手順
腹水検査の手順は以下の通りです。まず、腹部超音波検査で腹腔内に腹水が貯留していることを確認します。次に、医師が針を患者の腹部から腹腔内に挿入し、腹水を採取します。採取された腹水は、細胞検査、生化学検査、微生物学的検査などのさまざまな検査にかけられます。これらの検査から、腹水の原因となっている疾患を特定することができます。
腹水検査の結果
腹水検査の結果は、その原因疾患の解明に重要な手がかりを提供します。腹水の色や濁り、細胞成分、タンパク質濃度、pHなど、さまざまな指標が測定されます。例えば、血液を多く含む腹水は外傷や肝疾患を示唆し、胆汁を含んだ腹水は胆管閉塞を示唆します。特定の細胞タイプの存在、例えば癌細胞や炎症細胞は、特定の疾患との関連を示唆します。さらに、腹水中のタンパク質濃度と pH は、肝硬変や心不全など、根本的な疾患を評価するのに役立つ場合があります。