がんの監視に欠かせない「腫瘍マーカー」とは?
医療と看護を知りたい
腫瘍マーカーとは何ですか?
医療の研究家
腫瘍マーカーは、がんが存在すると血液中に産生される物質です。
医療と看護を知りたい
それはどのような目的で使われますか?
医療の研究家
がんの診断、治療の経過観察、再発の早期発見に使われます。
腫瘍マーカーとは。
「腫瘍マーカー」と呼ばれる医療用語があります。これは、がんが存在するときに血液中に生成される物質のことです。
腫瘍マーカーとは?
-腫瘍マーカーとは?-
腫瘍マーカーとは、がん細胞から放出される物質または細胞内の物質で、がんの有無や進行度を調べることが可能な指標のことです。通常の健康な細胞からも微量に放出されていますが、がんの存在下ではその濃度が上昇します。血液や尿、便、喀痰など、さまざまな検体から測定することができます。
腫瘍マーカーは、がんの種類ごとに固有のものがあります。例えば、肺がんではCEA(腫瘍関連抗原)、大腸がんではCEAとCA19-9、乳がんではCA15-3などが腫瘍マーカーとして用いられます。腫瘍マーカー単独での診断はできませんが、他の検査と組み合わせることでがんの早期発見や治療経過のモニタリングに役立ちます。
腫瘍マーカーの役割
腫瘍マーカーは、がんの監視に重要な役割を果たします。がん細胞が産生したり、がんの存在によって血中や尿中に増加したりする物質です。これらのマーカーを定期的に測定することで、がんの早期発見や治療効果のモニタリング、再発の検出に役立てることができます。腫瘍マーカーの値が上昇すると、がんの存在を示唆するサインとなり、さらに詳しい検査や治療の検討につながります。また、治療後に腫瘍マーカーの値が低下すれば、治療の効果が確認できます。再発の検出においても、腫瘍マーカーの値の上昇が早期の兆候となる場合があります。
腫瘍マーカーの種類
腫瘍マーカーの種類には、がんの増殖を反映する「がん抗原」と、がんによって産生される特定の物質「がん関連抗原」の2つがあります。がん抗原には、腫瘍細胞表面のタンパク質や炭水化物などが含まれます。がん関連抗原には、腫瘍の増殖や転移に関わる酵素やホルモンなどが含まれます。腫瘍マーカーの種類は、がんの種類によって異なりますので、それぞれの種類に適した腫瘍マーカーを検査することが重要です。
腫瘍マーカーの測定方法
-腫瘍マーカーの測定方法-
腫瘍マーカーを測定するには、いくつかの方法があります。最も一般的な方法は、血液検査です。血液中に含まれる腫瘍マーカーを測定することで、がんの存在や進行状況を把握できます。この検査は、定期的に行われることで、がんの早期発見やモニタリングに役立ちます。
また、尿や便などの他の体液からも腫瘍マーカーを測定できます。しかし、血液検査ほど一般的ではありません。腫瘍の種類によっては、組織生検によって腫瘍マーカーを測定することもできます。この方法は、がんの確定診断やタイプ分類に使用されます。
腫瘍マーカー検査の注意点
腫瘍マーカー検査には注意点があります。偽陽性、つまり腫瘍がないのにマーカー値が高いという結果が出ることがあります。これは、炎症や肝機能障害などの他の病気でもマーカー値が上昇することがあるためです。また、偽陰性、つまり腫瘍があるのにマーカー値が低いという結果も起こりえます。これは、腫瘍の種類や大きさによってマーカーの産生量が異なるためです。さらに、一部のマーカーは特定の種類の腫瘍にのみ反応するため、他の種類の腫瘍では見逃してしまう可能性があります。したがって、腫瘍マーカー検査の結果を単独で判断するのではなく、他の検査や診察結果と合わせて総合的に評価する必要があります。