腫瘍マーカーとは？がんで見つかる物質の役割と種類
医療と看護を知りたい
腫瘍マーカーについて教えてください。
医療の研究家
腫瘍マーカーとは、主にがんが存在している時に血液中に産生される物質です。
医療と看護を知りたい
がんがないときには産生されないんですか？
医療の研究家
一部のがんでは産生されませんが、多くの場合はがんが存在していることを示す有力な指標となります。
腫瘍マーカーとは。
「腫瘍マーカー」という言葉は、医学的な検査や診断で使用され、がんの有無を調べるときに用いられます。腫瘍マーカーとは、がんが体内で増殖したときに血中に放出される物質を指します。
腫瘍マーカーの定義と役割
腫瘍マーカーとは、がん細胞が産生・放出する物質で、血液や尿などの体液中に存在します。腫瘍マーカーは、がんの早期発見や診断に役立ち、また治療効果の判定や予後の予測にも利用されます。一般的な腫瘍マーカーとして、前立腺がんのPSAや肺がんのCEAが挙げられます。腫瘍マーカーの値は、がんの進行度や大きさに応じて変化するため、定期的に測定することでがんの進行状況をモニターすることができます。
腫瘍マーカーの種類と特徴
腫瘍マーカーには、さまざまな種類があり、それぞれに固有の特徴があります。
1. AFP（アルファフェトプロテイン） 肝臓がん、精巣腫瘍など
2. CA19-9 膵臓がん、胆道がん
3. CEA（腫瘍関連抗原） 大腸がん、肺がん、乳がん
4. PSA（前立腺特異抗原） 前立腺がん
5. CA125 卵巣がん
6. CYFRA21-1 肺がん
7. SCC（扁平上皮細胞癌関連抗原） 肺がん、子宮頸がん
腫瘍マーカーの検査方法
-腫瘍マーカーの検査方法-
腫瘍マーカーを測定するには、血液や尿などの体液を採取して検査します。一般的な方法は、酵素免疫法（EIA）や化学発光免疫測定法（CLIA）です。これらの検査では、特定の腫瘍マーカーに対する抗体を用いて、体液中の腫瘍マーカーの濃度を測定します。この検査は、通常、病院や検査機関で行われ、結果が得られるまで数日から数週間かかります。また、より新しい技術として、質量分析法や次世代シーケンシングを用いた検査法も開発されています。これらの方法は、複数の腫瘍マーカーを一度に測定したり、腫瘍細胞の遺伝子異常を調べたりすることが可能です。
腫瘍マーカーの意義と限界
-腫瘍マーカーの意義と限界-
腫瘍マーカーは、がん細胞によって過剰に産生される物質で、血液や尿などの体液中に検出されるものであり、がんの診断や経過観察に役立てられます。しかし、腫瘍マーカーには解釈に注意が必要な側面もあります。
腫瘍マーカーが上昇する場合、必ずしもがんが存在するわけではありません。良性の腫瘍や炎症でも上昇することがあります。また、すべての種類のがんで腫瘍マーカーが上昇するわけではなく、がんがあっても腫瘍マーカーが上昇しない場合もあります。さらに、腫瘍マーカーの数値はがんの大きさや進行具合を正確に反映しないため、早期発見や予後予測には限界があります。
そのため、腫瘍マーカーの結果を単独で判断するのではなく、他の検査結果（画像診断や病理検査など）や症状を総合的に考慮して解釈することが重要です。腫瘍マーカーは、あくまでがんの疑いや経過観察の補助的な指標として捉える必要があります。
腫瘍マーカーを使用したがん検診の活用
腫瘍マーカーを使用したがん検診では、血液や尿などから腫瘍マーカーを測定することで、がんの早期発見やスクリーニングに活用できます。腫瘍マーカーが高値を示す場合、がんの存在が疑われます。しかしながら、腫瘍マーカーはがん特異的なものではなく、他の疾患でも上昇することがありますので、単独で診断を確定することはできません。他の検査結果や臨床所見と併せて総合的に判断されます。腫瘍マーカーは、がんの進行度や治療効果のモニタリングにも役立ちます。定期的に測定することで、治療の奏効率や再発の早期発見に貢献できます。