V6(ぶいろく)の意味と12誘導心電図における活用
医療と看護を知りたい
先生、V6という用語について教えてください。
医療の研究家
V6とは、12誘導心電図の胸部誘導の1つで、心臓の電気活動を捉えるために使用されるの。
医療と看護を知りたい
胸部誘導の一つなのですね。では、どのようにして捉えるのでしょうか?
医療の研究家
紫色の電極をV4と同じ高さの水平線と前腋窩線上の交点に配置して、心臓の電気活動を捉えるの。
V6とは。
心電図における「V6」は、心臓の電気活動を記録するための電極です。12誘導心電図では、紫色の電極を使用し、V4と同じ水平線上で前腋窩線(脇の下のライン)が交わる位置に配置されます。こうして得られる心電図は、胸部誘導の一種です。
V6とは何か?
V6とは、12誘導心電図の胸部誘導の一つです。心電図とは、心臓の電気活動を記録したもので、心臓の健康状態を検査するために使用されます。胸部誘導は、胸部に電極を取り付けて行われるもので、心臓の正面、側面、後面からの電気活動を記録できます。V6は胸部の左側、腋窩中線(脇の下のライン)よりもやや外側の位置に電極が取り付けられ、心臓の側面から電気活動を記録します。
12誘導心電図におけるV6の位置
–12誘導心電図におけるV6の位置–
12誘導心電図において、V6誘導は、胸部の中心線に沿って、左腋窩中線上の第5肋間で記録されます。この誘導は左心室の側壁とその後面に位置する構造を反映しており、心筋梗塞や肥大などの左心室の異常を検出する上で重要です。V6誘導は、左脚ブロックやペースメーカーによる刺激の評価にも使用されます。
V6の臨床的意義
V6誘導の臨床的意義は極めて大きく、心筋虚血の検出に優れています。従来の12誘導心電図では、側壁心筋虚血はV1〜V6誘導で検出していましたが、下壁や側壁基部の心筋虚血を検出することは困難でした。一方、V6誘導は水平状に胸壁に配置されており、側壁や下壁基部の心筋を直接捉えることができます。そのため、これらの部位の心筋虚血をより敏感かつ特異的に検出することが可能です。
V6で観察できる異常波形
次に、V6で認められる異常な波形を見ていきます。
ST上昇は、心筋の虚血や損傷を示します。また、ST低下は、虚血や炎症を意味します。T波の陰転は、虚血や心筋障害の指標となります。さらに、Q波の増大は、心筋梗塞後の瘢痕組織の形成を示唆します。最後に、R波の巨大化は、心室肥大や高血圧症を反映している場合があります。
心疾患診断におけるV6の役割
心疾患診断におけるV6の役割
12誘導心電図において、V6誘導は左心室側壁の心筋活動を評価するために重要な役割を果たしています。左心室側壁は心臓発作や肥大型心筋症などの心疾患の際に影響を受けやすい部位です。V6誘導は、これらの病態における心筋虚血や肥大の検出に役立ちます。
具体的には、V6誘導の異常所見として、ST上昇(虚血の兆候)やQ波(心筋梗塞後の瘢痕の兆候)などが挙げられます。また、R波振幅の増加は左心室肥大を示唆します。これらの異常所見は、心疾患の早期発見と評価に役立てることができます。